準備 ページ21
狼の遠吠えが聞こえると、ゴブリン達は怯え出した。
「牙狼族の遠吠えだ……！」
「ち、近いぞ！」
「いよいよ攻めに来るのか！？」
「逃げようよ！」
「どこへ！？」
「行くとこなんてないよ！怪我人や女子供だっているんだぞ」
ざわざわと騒ぎ出すゴブリンたちに村長がなだめようとする。
「お前たち、落ち着きなさい……」
私はリムルを抱えると、皆の前に歩み出た。
『怯える必要はないよ！皆！』
「そうだ。これから倒す相手だからな！」
皆の視線が一気にこっちに流れる。
そして、次々に膝をついて平伏した。
「我らに守護をお与えください！さすれば今日より我らは貴方様方の忠実なる僕でございます！」
そこから私達は柵を作るように命令をすると、さっき聞こえた怪我人がいる、という場所へ連れて来てもらった。
「皆、牙狼族にやられた者達です。中にはもう長くない者もおります……」
なんて酷い傷………。
牙狼族の爪でやられたのか、胸から血が出ているゴブリンもいる。
だけど、残念ながら私には回復させるスキルを持ち合わせてはいない。
『リムル。なんとか出来ないかな…』
「ふむ……そうだ！」
リムルはゴブリンを見て何か思い付いたのか、ゴブリンを食べた。
「リムル様っ！？一体何を……っ」
そして、モゴモゴと動いた後、リムルはペッ、とゴブリンを吐き出した。
見ると綺麗に傷が塞がっている。
「こ、これは……傷が塞がっている……！？」
リムルはまた別のゴブリンを食べて、吐き出した。
そして、あっという間に全てのゴブリンを回復させて、怪我を治してしまった。
『流石リムル………凄い……！』
「リムル様ー！A様ー！」
その時、外から私達を呼ぶ声がした。
どうやら、柵が完成したみたい。
「ご命令の柵を皆で作ってみました……いかがでしょうか？」
私は柵に近寄ると、少し触ったり色んな角度から見たりしてみる。
ミシミシと音はするし、ちょっと不安だから、粘糸でちょっと補強した。
「A様この糸は一体……」
『洞窟の蜘蛛の糸。その蜘蛛のスキルを手に入れてるの』
さて………と。
『ちょっと席を外すね。リムルも来て』
リムルを抱えて、私はゴブリン村の端側に行った。
『さて……リムル。ちょっと作戦会議しようか！』
「そうだな。A。でも、ごめん。ちょっと弱音吐いて良いか？」
ふふっ。ごめんね。リムル。
そうだろうと思って、二人になったんだよ。
『うん。言って』
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虚白 - オ モ シ ロ イ‼️ (2022年2月11日 17時) (
レス) @page3 id: 66fd9d0c2f (このIDを非表示/違反報告)
黒（noir） - 飛鳥さん» ありがとぉ！嬉しいです！これからも頑張って書きます！(^o^ゞ (2019年5月12日 20時) (レス) id: db96c10a8f (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - とても読みやすく面白いです！ これからも頑張ってください！(*^ω^*) (2019年5月12日 17時) (レス) id: 6873657524 (このIDを非表示/違反報告)
黒（noir） - トド丸さん» うわぁぁぁぁ！ありがとうございますぅっ！多少ばらつきがありますけど更新頑張りまぁぁぁっす！!щ(゜▽゜щ) (2019年5月12日 16時) (レス) id: db96c10a8f (このIDを非表示/違反報告)
トド丸 - やべぇ、こりゃ天才だぜ。文章書くの上手いですし、続き楽しみにしてます！！頑張ってください！ (2019年5月12日 16時) (レス) id: 4ca7dc8e23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒（noir） x他2人 | 作成日時：2019年5月9日 19時
