てごぱぱ奮闘記。2 ───君の残した宝物──

梅雨。2 ページ8

祐也side



ざぁああーーー。
ざぁーーーーーーーーー。

この雨、梅雨のじゃないみたいだな。
まるで真夏の夕立ちみたいに、すごい勢いで降ってる。

窓に当たった雨の模様が、そとの景色を曖昧にする。

止む気配のない雨に、俺はいつかの傘を思い出していた────









友達の赤ちゃんに会いに行った帰り道。

祐『？』

さっきまで笑っていた空が、急に表情を変えた。
暗いもやもやが光を覆い隠したと思った次の瞬間には、大粒の涙をいくつも落として泣きはじめた。

傘は……ない。

祐『マジかよ…』

雨はどんどん降ってくる。

どっか、雨宿りできる場所……って、住宅街にあるワケないか。
かと言って、ここまで来て友達の家に戻るのもちょっと…
なんでこういう時に限って歩いて来ちゃったんだか。

…


？雨が…降ってないけど……降ってる。

視界の上の方に、優しいピンク色が映った。
振り返るとそこには、俺に傘を傾けて立っている、“あのひと”がいた。

梅雨。3→←☆はゆゆから☆

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