天使と悪魔 (ページ43)

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「綺麗……！」

夜空には花火が打ち上がり始め、わたしたちは広場へ向かった。

そこにはたくさんのカップルや家族や女の子たちが集まっていた。

大橋「Aちゃんなんか欲しいものとかある？」

「特にないですけど……」

恭平「あー俺たこ焼き食べたい」

大橋「それは自分で買ってきてや～」

恭平「は！？なんで俺はあかんのや！」

大橋「はいはいわかった、」

ごめんね、と笑って大橋先輩は屋台のある方へ走って行った。

あーあ、どうしよ恭平と2人きりじゃん……

恭平「A」

突然グイッと腕を引かれ、恭平と向き合う形にされる。

「なに、」

恭平「カズヤと仲良くしすぎ」

表情は恭平ではなくキョウヘイになっていて、真剣な目でわたしを離さなかった。

「大橋先輩と仲良くしちゃだめ？」

恭平「だめ。」

すると温かい両手でわたしの頬を包み込み、だんだん恭平の顔が近づいてきた。

わたしは反射的に目を瞑ったけど

大橋「それはずるい」

大橋先輩に後ろから腕を引かれ、恭平と距離を引き離された。

大橋「はい、たこ焼き」

恭平「……ありがと」

また不服そうな顔をする恭平。

まだ少しだけドキドキが残ってるのは気のせいかな……

大橋「Aちゃん？」

「え、あ、はい」

大橋「綺麗やね」

「ほんとですね…すっごい綺麗……」

花火は終わりが近づいていて、クライマックスになっていた。

きっと今が1番綺麗なとこ……

大橋「Aちゃんのことやけどね」

「へ、？」

ニコッと笑って頭をなでられた。

ずるいのは大橋先輩の方じゃないですか……！