天使と悪魔 (ページ33)

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恭平「あほ」

「あほやないし」

あの時わたしが飲んだのはぶどう酒だったらしい。

わたしはお酒に弱いってことがわかったわ。

あの後倒れてしまったがために大騒ぎになってしまい、恭平が部屋まで運んでくれたらしい。

「でもありがとう……」

こんな雰囲気は嫌で今すぐ抜け出したいのに

恭平「A、あのさ。」

真剣な顔で見つめてくる恭平。

恭平「俺が悪魔の時はちゃんと1人の男として向き合ってほしい。

"高橋恭平"の時はいつもみたいでええけど、"キョウヘイ"の時は特別であってほしい。」

それはわたしが悩んでいたことだった。

気まずいと感じるのはそれだった。

学校での恭平とは違うからだ。

悪魔になると少し大人っぽくなってしまって、ドキドキさせられてしまうんだ。

「わかった……キョウヘイとして関わるね……」

ドキドキしてしまうのはなぜなんだろう。

これを恋だと思ってもいいのだろうか。

答えはわたしにはわからないよ、

恭平「よかった……」

部屋に沈黙が訪れると、恭平の目がトロンとしているのがわかった。

そして近づいてくる顔。

重なった唇は小さく音を立てて離れた。

なんだか変な感じ……

これがファーストキス……

「っ、！きょへ……」

そのままベッドに押し倒されて、視界には天井と恭平の顔しかうつっていない。

「いっ、」

恭平「俺のって印」

「ばか」

首元に咲いた赤い花はズキンと痛んだ。

恭平「おやすみ」