天使と悪魔2 (ページ8)

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王様「なんだね？」

「決闘を取り消していただきたいです」

単刀直入にそう伝えると一瞬目を丸くしてガハハと大きな笑い声をあげた。

王様「何を言い出すかと思えばそんなことか！」

「じゃあ…」

王様「ダメに決まってるじゃないか」

「え……？」

呆れた表情を浮かべながら予想外のことを言った王様。

今の流れじゃOKもらえそうだったのに……

王様「いくらなんでもそれはわがままだな。」

「どうして…！わたしは何も聞かされていなかったのに！」

王様「命令に逆らうのか？」

「っ、」

"命令"。

そう言われてしまえば何も言い返せない。

もしここでこれ以上反抗し続けたらきっともっとひどいことになってしまうだろう。

それに2人にも迷惑かけちゃう……

「……わかりました」

そして一度王様に礼をして部屋を出た。

「なんで、っ、」

悔しくてたまらなくて思わずその場で泣き崩れてしまった。

なんで上手くいかないの……？

このままじゃ2人が決闘しないといけなくなっちゃうよ……

「わたしはどうしたらいいの……」

恭平「A…！？」

するとたまたま廊下を通りかかった恭平に見つかってしまった。

こんな泣き顔見られたくないしなんでこのタイミングで来るのよ……

「……あっちいってよ」

恭平「は？嫌やし。好きなやつが泣いてんのほっとくほどアホやない」

こんな時でも"好きなやつ"なんて言われたらドキドキしてしまう。

けどきっとこれは違うんだよ……

「……断られた」

「だから言ったやん」とか言われるのかな。

そうだよね。ちゃんと従っとけばよかった。

恭平「そっか……ほんまにごめんな、俺らのせいで…」

「っ、恭平のせいじゃないよ……」

優柔不断なわたしが悪いんだ。

すぐにどちらかを選んでいたらこんなことにならなかったのに……

「やっぱりわたし以外の女の子にした方がいいよ」

恭平「は、何言って……」

「もうこれ以上迷惑かけれないもん！」

気がついたら走り出していて、恭平の声なんて耳には届かなかった。