俺だけの天使 ３

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「どうもしいひん。
おとなしいしといて」


バタバタしてるけど、

体重かけて、
動かれへんようにしたる。

そんまま、唇、奪う。


抵抗して、俺の胸を押す手も、
必死で逃がれようとしてる身体も、

なんもかんもが、ちっこいなあ。


ほんま可愛い。


小さい口を割って、舌、滑り込ませたら、
ともの身体が、びくぅって震えた。


深いキスしたんは、初めて。


勢いに任せて、
自分からやっといてなんやけど、

うわあ、なんやこの感覚は！

脳みそ、溶けそう。


片手で自分のワイシャツはいで、
床に落として、

ともの着てるニットに手をかける。


先に、先に、って、気持ちが急いてんのに、
うまく脱がされへん。


うまくいかへんニットは諦めて、

とものズボンのベルト、
先に外す。


はよ、俺んもんにして、

このわけの分からん不安を、
消してしまいたかった。


そん時、
俺の下でもがいてた、ともが、

不意におとなしなって。


「のん、やめて。
こんなん、嫌や」


泣き出しそうな声で、呟いたん聞こえて。

急にはたって我に返った。


力抜けた瞬間に。


「こんな、酔うた勢いとか、嫌。
力づくなんか嫌やもん。
のんなんか嫌いやっ」


ともは叫ぶように言うて、
俺の腕をすり抜けて、

ソファから落ちるように、降りた。


「ごめん、そんなつもりちゃうくて」


「嘘や。
俺んこと、好きともなんとも言わんし。
俺ん気持ちなんか無視して、
無理矢理、しようとしたやんかっ」


興奮して、ぼろぼろ泣いてる。


こんなとこ、初めて見る。

めちゃめちゃ傷付けてもうた・・・


「ごめん、言葉にせんでも、
ともは分かってくれてるて思ってたから」


紅潮した頬に、
指先を伸ばしかけたけど、

すって避けられた。


胸がギシギシ痛む。

酔いなんか、一瞬で覚めた。


「分かれへん。
いっつも、俺ばっかりっ、
望のこと好き好き言うてるのに。
もう嫌やっ。
望なんか、知らんっ」


泣きながら、
部屋、出てってもうて。


追いかけようとしたけど、

立ちくらみして、
その場に倒れてもうた。


打ちひしがれた耳に入ってきた、

ドアのバタンて閉まる音と、
階段を勢い良く駆け下りてく足音。

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