俺だけの天使 ３

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「これ、疲れに効く、
クエン酸たっぷりの、
レモンのドリンク。
良かったら、どうぞ」


瓶のジュースを押し付けてきた。

良かったら、て、つけてるくせに、
断れる雰囲気、ゼロ。


気圧されて、


「あっ、ありがとう・・・」


受け取ってもうたやんか。


タイミング悪く、
ともが、ちらって、こっちを見た。

なんで今？


さっきまで俺が妬くぐらい、
流星と親密そうに、

不必要に近い距離で、
(俺にはそう見えた)

打ち合わせしとったのに。


けど、ともは、
やきもちなんか妬けへんみたい。


にこってして、
俺に目で合図してくれた。

そん顔がめちゃめちゃ可愛ええ！！


可愛ええけどさ・・・


俺はさっきから、

嫉妬心こらえんのに、必死やっちゅうのに。


ともは全然平気そうなんが、

悔しいような、悲しいような。


つい、心にはなく、

視線、ふいってそらしてしもて。

後から、めっちゃくちゃ後悔。


瀬奈ちゃんが見張ってるから、
レモンのドリンク飲んでみたけど、

酸っぱ過ぎて身体が震えた。

こんなもん、夏の飲みもんや。


飲み終わった時ちょうど、
打ち合わせ終わったんか、

流星とともが、
商談スペースから出て来た。


「神ちゃんに詳細は任せるわ。
納期だけ守ってくれたらええから。
お疲れ様でした」


流星が、ともの肩を抱いて、
わざわざ、出口まで見送ってる。

前は全然、気にならんかったのにな。


流星も、男が好きって聞いてから、

こんな場面、目の当たりにすると、
もやもやが止まらへんなってまう。


離れろや、ともは俺の大事な子やねんぞ。


胸がスギズキ痛み出した。


両想いって楽しいことばっかりやと思うてた。


ともにずっと俺のこと、
好きでおって欲しい。

今よりもっと、惚れさせたい。


自分がこんなに欲張りやなんて、
知らんと生きてきた・・・

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