俺だけの天使 ６

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流星、上半身、裸やん！


「りゅうせっ、なんか着てっ」


「なんかって。
荷物全部、ログハウスに置いてきたし。
望が俺から服剥ぎ取ったんやん」


「誤解招くような言い方せんとってや！」


「わあわあ、うるさい子やなあ。
ええやん、気にせんで」


「・・・気にするのっ！」


昨夜もお風呂上がり、

上半身はなんも着んと、

髪の毛タオルドライしつつ、

リビングまで、ふらあっと出てきた。


単なる日常的の一コマやのに、
まるで雑誌から抜け出てきたようやった。


流星の方がモデルみたいやって、
しょっちゅう思うてる。


「恥ずかしがりさん」


流星は、俺の慌てっぷりをむしろ楽しんでるような。


わざと近寄って来て、俺の髪に触れてくる。


「ありがとな。
服、洗ってくれて」


「どういたしまして」


「望・・・」


むむむ。

これは、あやしい雰囲気。


こんな炎天下で、ちゅっとか、してまう？


流星の腕が肩に回って、綺麗な顔がゆっくりと傾く。


至近距離に出来た流星の影で、
眩しい光が途切れた。

ドキドキして苦しい。


流星、はっ、はっ、裸やのにっ！


これ以上はもう無理っ！！！


「流星っ！あかんっ！」


ドンって突き飛ばしてしもた。


石ころだらけの河原でふらつく流星に、
ごめんって気持ちはあるけど。


目のやり場に困ってる、この状況は変わらん。


「ええやん。キスしたかったのに」


「何言うてんねん！
重岡オーナーと神ちゃん、おるねんし！」


と、テントの方振り返ったら、二人がおらんねんて。


辺りを見回してみると！


なんと、二人、川の中で、いちゃつき倒してた。


たった今、自分が流星としとったことを、
俯瞰で見せられてる気分。


こういうんを、共感性羞恥って言うんか？

居ても立っても居られへんなってしもて。


なんとしても二人を引き剥がすべく。


川の中にざぶざぶ入ってく。


「あっ！また人目も憚らず、
いちゃついて！
神ちゃんは、いつからそんな悪い子になったん！」


神ちゃん、ほんまの悪い子やねん。


俺の邪魔が入って、残念そうな顔なったもん。


「望、邪魔したらあかんって」


流星が俺を追っかけてくる。

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