第二話 ページ4
白い光に包まれたぼやけた空間が広がる。
ここはどこだろう、と辺りを見渡した瞬間、空間が歪んで世界は全く違う景色に塗り変えられる。
そこにいるのは美咲だった頃の私と、目の前に立つ女性……私の母だった。
母から差し出せれるお手製のショートケーキを見て、私はニッコリと笑う。手をあわせてフォークを手に取り、一口頬張ると懐かしい味がした。
フワフワとしたスポンジに、口の中で溶ける程よい甘さのクリーム。そして、苺の酸味がアクセントになっていてとても美味しい。
店の物には劣るかも知れないが、私が一番好きな食べ物だった。あっという間に平らげてしまった私に母はまた作るわね、と嬉しそうに微笑む。
でも、この一週間後に私は死んだのだ、キュウリのせいで。
ああ、もう1回だけでも母のケーキが食べたかったなぁ。
レシピは覚えているけれど苺なんていう果物がない今の世界で食べることなんてもうできないだろう。
急に騒がしくなった。振り返れば世界は塗り替えられていた。
辺りを見ると、大きなステージが目の前に広がっている。客席には誰もいない。これも前の記憶だろうか。
幕が上がる。緊張で息を詰めながらも、私は舞台を凝視していた。
パッとスポットライトがついた。そして、何やらごきげんな音楽にあわせて、キュウリが踊っている。
さっきの気分から一転、体の底からフツフツと怒りが湧いてくる。
「何なのよ、これ……！」
そんな叫びとともに、世界は真っ白になった。
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ふりかけカスタード - きゅうりが死因ｗ更新楽しみにしてます！ (2017年8月21日 13時) (
レス) id: f6c6c4268e (このIDを非表示/違反報告)
ルピナス@桜飴(プロフ) - 従順なこいぬさん» 返信・更新が遅くなり申し訳ありません。コメントありがとうございます、本当に嬉しいです！ (2017年6月26日 21時) (レス) id: f79117ebd7 (このIDを非表示/違反報告)
従順なこいぬ - 面白すぎて、夜なのに思い切り吹き出してしまいましたw (2017年4月3日 22時) (レス) id: 05eb78a7ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ娘 | 作成日時：2016年5月30日 12時
