悪女監督に転生！？ (ページ3)

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まず最初にことの次第を説明しよう。

私は最近某夢の国のヴィラン達がモチーフになったゲームにハマり、「叶うことならあの世界に行ってハッピー逆ハースクールライフを満喫したい！」と脳天気なことを考えていたのだ。

そしたらあろう事か交通事故にあい、気づけば見知らぬ部屋のベッドに見知らぬ猫もどきと寝ている状況。

そしてさらに驚くことにこの猫もどき、私が最近ハマっているゲームに出てくるキャラクターに死ぬほど似ているのだ。

お分かりいただけるだろうか？

つまりはそういう事だ。

転生だ！！

最近転生系の漫画見すぎた結果なのだろうか。夢ではないかと何度も目覚めの儀式を行い、分かったことは両頬が無駄に痛いことくらい。

ヤバイぞ私、あろう事か夢にまで見た監督生になってるーーー

＿＿＿＿……と歓喜していたのが十数分前

今は、先程とは打って変わってベッドの上で正座しながら冷や汗ドバドバだ。

普通に考えて今の現状ヤバくないか？

だってこれ私がここにいるってことはつまり…

＿＿私マジで死んだのでは…？

いや、確かに動く鉄の塊に血まみれにされたけども…

嘘じゃん？

今月の定期券買ったばっかだし魔法石も鍵と交換できてないよ？

「うわもうマジかーー…」

？？「……うるさいんだゾ………」

＿＿＿ヒッ…！？

涙目で嘆く私の隣でモゾモゾと動く黒い毛むくじゃら

マジで人間の言葉喋るじゃんグリム…

「………しずかにするんだゾ…やすみのひくらい……ゆっくりねたいんだゾ…」

………休み。今日学校休みなのか

モゾモゾと動いていた毛むくじゃらが再びスヤスヤと寝息をたてたのを見て、起こさないようベッドから抜け出す。

＿＿＿外に出てみよう。とりあえず外見たら全てがわかる気がする。

………その前に鏡で自分の体をチェックしよう

美少女に転生してるかも。

と、思ったが…驚くことにそこには16歳だった頃の自分が写っていた

なんだ？転生失敗か？？

「でもまだ肌にツヤがある…ハハッ10代最高やな」

鏡に写った若かりし頃の自分を見ながら乾いた笑いを零すとまたグリムがウゥンと唸る。

私はグリムを起こさないよう軋む床をゆっくりと歩き部屋の扉に手をかけた。