【d!】転生したら個性豊かな吸血鬼達に愛される吸血姫になってた件。 (ページ6)

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意識を取り戻すと、そこは自室ではないことに気付いた。
(ここは……？)

辺り一面、草原だった。

格好は変わらず、身体も変わっていないように思えた。何故か、靴も履いていた。ポケットに入れていた手鏡やハンカチは、無くなっている。いや、ひょっとすると眠る前の喧嘩の時に落としたのかもしれない。

どういうことだろう。もしかして眠った後に、自分で何処かに出掛けたのか。
生憎、そんな記憶はない。

じっと待っては居られない。取り敢えず、歩き出した。どちらに行けばいいのか、草原がどこまで続くのかも分からずに。ただただ迷いながら、歩き出した。ここが砂漠だったら、死んでるんだろうな、丁度良い気温に救われた、などと考えるのも束の間、私の足に限界が来てしまった。思いの外早かったように思える。いや、またあの喧嘩での疲労が関係しているのか。

ドサッ

痛みも感じず、地面に突っ伏した。このまま死ぬのかな、悪い人生だったよ、全く。来世はもっといいようにしてくれよ、神様。いや神なんてとうの昔に忘れたか。

　＊

２０××年○○月△△日、現役女子高生の死体が自宅付近の空き地(・・・)で発見される。疲労感で意識を手放したのち、食べ物も何も無く、何の救助も無かったのが死因とみられる。警察は何故誰の目にもつかなかったのかを詳しく調べており――……

　＊