ゲームの転生者の歩む道[オリジナル] (ページ26)

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20セーブページ26

『ぅぐ…っ！』
後ろを振り返ろうとしたが、力が出ず、相手の顔が見えない。

侑菜「鈴?!どうしてここに?!」
鈴…何で…あいつが？そうか。ここはゲームの世界だけどやっぱり、シナリオ通りじゃないのか。

鈴「侑菜！良かった！」
視界がかすれてよく見えないが、水色の髪に銀髪の少女が視界にうつる。

侑菜「鈴～！ナイス！」

鈴「侑菜の能力無かったら分からなかったかもw」
能力？侑菜の能力は確か一石二鳥。僕の体勢を崩すってのと、鈴にどこにいるかを知らせたって言う感じか。

『ってか、何だよあの激痛…』
目の前の自分の死体を見る。背中に刺さってる物は…っと。自分の背中を見るが刺さっている物はない。撃ち抜いた痕があるだけ。鈴の手元を見ると、本があった。なるほど。魔導書的な何かか。

『はぁ…分かんないなぁ。この本の仕組み…ってか、この本はゲームの世界と同じなのか』
じゃあ、鈴が死んだら消失するって訳では無さそうだな。死体に触れる。目を開けると、侑菜とあった場面に戻る。

侑菜「鈴と侑菜なら…きっと大丈夫」
侑菜がレールガンを構える。木の陰に隠れながら、森林に向かう。森林に着くと、木の陰に隠れてそこから動かない。侑菜の落ち葉を踏む音だけが聞こえる。

そろそろかな…と、わざと音を立てて移動する。

侑菜「そこ！」
レールガンを撃つ。が、僕には当たらなかった。
何度も何度もそれを繰り返した。そして、鈴が来たのを見計らい、また動きを止める。
ガサッと落ち葉を踏む音が響く。

侑菜「そこだ！」
そう言って、撃った先にいたのはー

鈴「え？…」
鈴だった。侑菜が駆け寄るよりも先に鈴の所に行き、本を取る。鈴は、意識があり、腕にレールガンがかすっただけのようだった。

侑菜「！！鈴！なんで?！」
鈴の首にナイフを当てる。

『武器を置け』

侑菜「な、何で…ってか！その本は鈴の！」

『良いから置け！話を聞けよ！』
と、侑菜のあまりの自由さに突っ込んでしまう。

侑菜「っ……」
静かに武器を置く。

その瞬間を狙って本を開き、書いてある言葉を読む。

『電光石火』
そう言うが、何も起こらない。どうして？唱えたはずなのに。くそ。電光石火ってスピードが速くなる奴だったよな?どうして速くならない？
おろおろしていると、鈴に後ろからどんと体当たりをされ、体勢が崩れてしまう。

鈴「この本は私にしか使えないの！元々、能力を使える人にはこの本は負担が大きすぎて扱えない！」