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愛視点
前から誰かに守られすぎてきた。
あの日。目の前で両親は殺された。
何が起こったのか分からなかった。どうやって殺されたのかも誰が殺したかも全く覚えてない。だけど、両親が動かなくなって泣きながら必死に両親を起こそうとしたのだけは覚えている。
愛「ねぇ!起きてよ!ねぇってば!ねぇ!…」
必死になって叫んでいたら急に目の前が暗くなって何かで口を覆われた。そこからはあまり覚えてない。気づいたら毎日謎の液体を飲まされていた。何度も何度も吐き出そうとしては止められた。
その液体がヤバイやつだったなぁってのは流石にもう分かってる。ある日。前触れも無く現れたある人が私の手を引いてこの学校につれてきた。
そこでは、美空、碧、千尋と会った。
だけど、いつまでも親友ではいられなかった。碧が私と距離を置くようになった。皆が説得してくれても碧は私との距離を縮めることはなかった。
計に呼ばれて、時間稼ぎとして無名という子の所に行くことになった。その時に、碧と会った。碧は、私達を説得しようとしていたが、美空がなるべく明るい返事をするだけで会話は終わってしまった。
碧「愛、これ」
そう言って、春が使ってた銃を渡される。
碧「正直に言う…お前らには勝てない。無理だと思ったら逃げろ。それと、あいつの事を信じるな。本当は…あいつらみたいになって欲しくない。けど、止めたって皆行くから…」
下を見ながらポツポツと碧が言葉を零す。碧の頭を撫でてまた皆で遊ぼって約束してから美空の方に向かう。
私は茂みに隠れて様子を見るように言われた。茂みの中に隠れていると、美空が急に戦わなくなった。咄嗟に持ってたフライパンで無名って子の攻撃を防ぐ。
そんなことを何度も繰り返した気がする。
美空は、分かってた。もう諦めてた。だから、あえて終わる選択をした。届く距離だった。もう少し手を伸ばせば私の腕とかそこら辺が切れるだけですんだはずなのに。倒れる瞬間に美空が、ありがとうと言った。
結局何も守れなかった。
家族も親友も。
この能力は何のためにあったの?
無名「最後に言い残すことはある?」
愛「わがままだけど。けど、もう一度だけ…あの4人で遊びたかった」
そうだ。そんな幸せさえあれば良かった。
碧…千尋…生きてね。
守ってあげられなくてごめん。
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作者名:みむ | 作成日時:2022年2月13日 21時