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ハニートラップ2 ページ4

『中也あったー?』




部屋に再び戻ると中也はまだ服を漁っていた。
後ろにいる太宰さんの存在にも気づかずに。





「うーん…これでいいか?」





中也が1枚の服を取り出して振り向く。
そして固まった。
その視線の先にはニコニコと微笑んでいる太宰さん。





「…勝手に入ってんじゃねぇえええええ!!!」






「おっと…危ないじゃないか中也」






中也の蹴りを華麗に避けると私の隣に来た太宰さん。
それに中也はギリっと歯ぎしりした。





『それで?服は?』





「あァ!?…チッ。これなら手前でも着れんだろ」




ポイッと投げてきた服を広げる。
うん。悪くないね。


羽織っていた外套を隣の太宰さんに返却し、貸してもらった服に腕を通す。


わぁお。ピッタリだ




「似合ってんな…」




所々シワになっている部分を伸ばしながら中也は呟いた。
地味に距離が近くてドキドキする…




「えぇ〜?全然似合ってないよ」




いつの間にか外套を羽織っていた太宰さんがぷくぅっと頬を膨らました。


…子供か




『そうですか…?似合ってると思うんですけど…』




その場で服でくるっと回ってみせる。

服は中也とお揃いだ。ちょっとダボッとしているからズボンは履かなくても見えない。

中也は満足げに私の頭を撫でた。
それを見ていた太宰さんがムスッと眉を寄せる。




「A。今日は2人で酒を飲みに行かないかい?」





え…




太宰さんが名前を呼んでくれた。
呼んだとしても、ちゃん付けだったのに…

【2人で】の部分を強調しながらニコリと笑った。



『別にいいですけど…』




今日は特に用事なかったし、家に帰ってもどうせ1人だ。

たまには、太宰さんと飲みに行くのもいいかも…




「じゃあ行こうか」





『…え!?今からですか!?』





掛け時計をチラッと見れば針は6を指していた。
夕方から飲みに行くのか…夜が良かったんだけどなぁ





「嫌かい?」





「コイツは夜から飲むのが好きなんだよ」





小馬鹿にしたように中也がニヤリと笑った。

よくご存知で。さすがは何年も続く飲み仲間である。




「…しょうがない。夜の9時ごろにしようか」




というわけで夜から太宰さんと飲むことになった。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , 天さん
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じゅんじゅん - 太宰さん、何しても素敵 (2017年11月27日 14時) (レス) id: c524650a5c (このIDを非表示/違反報告)
- 太宰さんの嫉妬カワイイ!! (2017年3月21日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 中也の服、私も着たい…所謂彼シャツ (2017年2月5日 5時) (レス) id: da1d8c64e4 (このIDを非表示/違反報告)
樂紗(プロフ) - 照れる中也が可愛かったです。太宰さんの嫉妬も可愛かったです。、、、いろいろご馳走さまd(( 更新頑張って下さい。 (2017年2月5日 4時) (レス) id: a67ccab664 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 可愛らしい嫉妬 (2017年2月1日 16時) (レス) id: da1d8c64e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天さん | 作成日時:2017年1月31日 18時

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