ハニートラップ1 ページ3
コンコン…
『あれ、居ないのかな…?』
もう1度ノックをするも中から反応はない。
もしかしたら任務に行っていて留守なのかもしれない。
参ったなぁ…このままじゃ風邪ひいちゃう。
「あァ?手前ここで何してやがる」
『あ、中也。ねえねえ、服貸して?』
そこに丁度帰ってきた中也。
巻いていたタオルケットを前だけちらっと開けてみせる。
特に色気的なのでやった訳ではないのだが…
「は、はァ!?///て、手前何やってんだよっ!!」
顔を真っ赤に染めた中也が私の手を引いて部屋へグイグイ入れてきた。
私はお前を赤面させたい訳では無い。
『ちょっと中也〜?何をそんなに照れてるのよー』
「黙ってろ圧死させんぞ」
帽子を帽子たてにかけてクローゼットに向かう。
その間に自分の着ていた外套で私を包んだ。
あったけぇ…
さっきまでの中也の体温が冷えた体を包んだ。
コンコンっ…
あれ?誰か来た…
中也は服探してるし…代わりに私が出よう。
外套を羽織ったまま扉の前まで行く。
ゆっくりとドアノブを回した。
「やァ中也…って、なんで君がいるんだい?」
どこか不機嫌そうに扉の前に立っていたのは、私の上司の太宰さんだった。
私の顔を見て目を見開いたと思ったら、私の肩にかかっている外套を見て今度は眉を寄せた。
コロコロと表情が変わって面白い。
『あの、中也に何か用ですか?』
扉を全開にすると、太宰さんが中也の外套を引っぺがした。
『ちょっ!何するんですか!?』
床に落ちた外套を取ろうとしたが、他の何かが私を包んだ。
横目に見えた黒いもの。
これは、外套…?
「そっちの方が温かいでしょ。で、中也は?」
あぁ、これは太宰さんの外套か。
大きいな…
『中也は中に居ますよ』
部屋に案内する気はないけどね。
太宰さんを入れたとなると本当に圧死されてしまう。
「そうかい」
ポンっと私の頭を一撫でして部屋に入っていった。
『ぅう……反則だよ…』
中也の外套を拾って私も部屋に戻った。
161人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じゅんじゅん - 太宰さん、何しても素敵 (2017年11月27日 14時) (レス) id: c524650a5c (このIDを非表示/違反報告)
和 - 太宰さんの嫉妬カワイイ!! (2017年3月21日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 中也の服、私も着たい…所謂彼シャツ (2017年2月5日 5時) (レス) id: da1d8c64e4 (このIDを非表示/違反報告)
樂紗(プロフ) - 照れる中也が可愛かったです。太宰さんの嫉妬も可愛かったです。、、、いろいろご馳走さまd(( 更新頑張って下さい。 (2017年2月5日 4時) (レス) id: a67ccab664 (このIDを非表示/違反報告)
薫(プロフ) - 可愛らしい嫉妬 (2017年2月1日 16時) (レス) id: da1d8c64e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天さん | 作成日時:2017年1月31日 18時