◇ ページ21
未帆ちゃんが去ったのを確認し、電話をかける。
「もしもし、私だけど」
『お疲れ様でした』
相手の顔を頭の中に思い描き、バイクに腰をかける。
エンジンを切ると、周りからは虫の声しか聞こえない。
「うまくいってよかったね、ほんと」
『ええ。肝が冷えました』
ほんまかそれ。うそやろ。
と、心の中でツッコミしつつ何から話だそうか頭の中で内容をまとめる。
「人間って睡眠欲と食欲満たさないと生きていけないらしよ」
『そうですか』
いや、何言ってんねん。そんなことちゃうやろ。
好きな人に言いたいこと言えない女子高生かよ。
「未帆ちゃんはすごいね。なんでもできて可愛くて私には無理だー」
『そんなことないですよ。あなたにもあなたにしかできないことがありますから』
「そうかなぁ？やっぱり親の育て方が違うと思うよー、もうさぁDNAレベル」
相手の空気が少し変わるのを感じた。
なんだ？ここがツボか？
「あなたの親御さんだって素晴らしい方々じゃないですか」
親？
母親は世界一の女目指してるし、父親は世界征服目指してるけど？
前職は真面目だったのになぁ……道ずれちゃったのよねぇ。
「ふーん。まぁ、調べればわかることだし」
「やめておいた方がいいのでは？」
間髪を入れずに言われる。
なんだ。やけに食い気味じゃないか。
「バレなきゃいいでしょうよ。……それとも告げ口する気なの？」
『ご冗談を。ただ、彼女はあなたと同じ穴の狢なので……』
同じ穴の狢、ねぇ。そんなの………
「余計に興味が湧くじゃない」
『あなたの興味云々の話ではなく。彼女は敵に回さない方が賢明ですよ』
「そんなの今までで十二分に知ってるよ」
そう言って私は電話を切る。
切られる前に電話越しの相手がわめいていたが知らない。
「あ、わたし。頼みがあるんだけど〜」
違う場所に電話をかけ自分の要件だけを伝え、電話を切った。切られる前に電話越しの相手が(略)
「まっ、帰るか」
愛車にまたがると私はバイクを走らせた。
まっすぐと前を見つめて。
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綺藤(プロフ) - ふきさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです(´∀｀*)更新は遅いですが、これからもよろしくお願いします！！ (2018年8月19日 21時) (
レス) id: 72513d01c9 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 面白いです！何回見ても飽きません！更新待ってます。これからも頑張ってください。 (2018年8月16日 11時) (レス) id: 3e86faee5c (このIDを非表示/違反報告)
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