◇ ページ20
確かに筋書き通りだった。そう――赤井がキールに殺されるところまでは。
「人を呼び出しといて自分は遅れるってどうなの？」
キキ、と音を立てて目の前にバイクが止まった。私は淡々とそのバイクの主に問う。ヘルメットを外すと彼女はひとつ微笑んだ。
「悪いね」
「思ってもないくせに」
バレた？と笑う彼女こそ、この筋書きを狂わせた張本人だ。私の筋書きでは速攻で富士の樹海に行く予定だったの。おいでって言ってくれたから。待ってるよって言ってくれたから。仲のいい隊員さんが。なのに！この子は！この街灯が一つポツンとあるだけの高台に呼び出した。
「最近七瀬さんが私のこと調べてるみたいだから、ちょっと忠告しておこうと思って」
ヒュッ、と一つ息を呑んだ。なぜバレた。検索履歴だって足がつかないように全部削除した。
「ああ、検索履歴を消したところで意味ないよ」
「……調べてなんかないけど」
そう睨め付けるながら言うと彼女はカラリ、と愉しそうに笑った。
「嘘。篤さんにまで聞いてたでしょう」
「聞いてたの。タチ悪いね」
「今さらそんなことを言うのかい、君は」
笑みを絶やさない彼女。まるでこの状況が愉しくてたまらないという様子で。
「とにかく、これは忠告だ。これ以上詮索するのなら私は君を殺す」
「別に殺されないと思うけど……ってか、なめないでよ」
「ならば一生サバゲーができない体にすればいい」
「……それは困るねぇ」
うん、困る。三度の飯より大事だよ、サバゲーは。
「まあ、殺させないでくれよ。兄さんのためにも」
じゃあ、と去っていった彼女に一つ嘆息する。彼女はおそらく本気だ。脇に拳銃を一艇抱えていたし。
「……すごいのを敵に回しちゃったなぁ」
私は一つ嘆息し、満天の星空を見上げる。
これで、ひとつ決まった。――彼女はやはり、ただの女子高校生探偵ではない、と。
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綺藤(プロフ) - ふきさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるととても嬉しいです(´∀｀*)更新は遅いですが、これからもよろしくお願いします！！ (2018年8月19日 21時) (
レス) id: 72513d01c9 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 面白いです！何回見ても飽きません！更新待ってます。これからも頑張ってください。 (2018年8月16日 11時) (レス) id: 3e86faee5c (このIDを非表示/違反報告)
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