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ページ18

『水無怜奈ちゃん。……なんとか助けてやってね』


父さん自ら電話して来たと思ったらそういうことね。いつになく真剣だから、少し驚いた。真面目なことも言えたのね。もったいぶりつつ口を開く。


「水無怜奈ちゃんは父さんの直属の部下だった。それに殉職した水無怜奈ちゃんの父親のイーサンは………父さんの同僚だったしね」


父さんは息をのむ。おっと、イーサンの話は禁句だったな。娘のくせに言いすぎた。


『頼んだよ。あともう1つお願いがあっ』
「とうさーーーーーーーん」


えっ。何?なんで、電話越しで爆発音がするの?何してんの?
あっ、ブルキナファソか。武装解除か。


『データ送っとくから!よろしくで……ちょいコラァァァァァァァ』


電話の最後に聞こえた怒号はスルーしよう。気にしたら負けだ。武装解除頑張ってくれ。世界征服頑張って。


「この病院はFBIの監視下にあるし、CIAとは折り合い悪いし……どうすっかね」


呟きながら、考える。私はどこの組織にも属していないから自由はきく。やっぱ、フリーが1番!


◇◇◇


とある峠。


「どうした。キール……早く止めを刺せ!」


おきまりのポルシェに乗ったジンはキールに問う。その顔は喜びに震えているようだった。そんなジンにキールはインカム越しに反論する。


「でも、肺を撃ち抜いたから30分程度で……」
「頭に弾丸をぶち込め。それで奴の息の根は止まる……」


ジンの目は本当の喜びに満ちていた。ついに奴を殺すことができる、と目で語っていた。ポルシェの中は異様なまでの歓喜に包まれていた。


「まさかここまでとはな……」


赤井が覚悟を決めたように呟く。


「私も、驚いたわ……こんなにうまくいくなんて…」


――バンッ


赤井は眉間を撃ち抜かれた。赤井がスローモーションのように後ろに倒れる。キールは赤井が死んだのを確認して言葉をもらす。


「悪く思わないでね」


遠くからパトカーの音が聞こえた――。


◇◇◇


私はただただ赤井の死を峠のたもとで傍観していた。


赤井は死んだ。


キールはFBIと手を結ぶことを拒否した。


最後までCIAとしての責務を果たしにいったのだ。


アメリカ同士仲良くすればいいもののしょうがないか。


どちらの組織も根本は同じなんだけどね……


まぁ、なんのピロシキ。


FBIも頑張るでしょうよ。


さて、次はどうなることやら。


私の微笑みは闇夜に消えた。






ここまでは筋書き通りなのだから。

◇→←◇



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綺藤(プロフ) - ふきさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです(´∀`*)更新は遅いですが、これからもよろしくお願いします!! (2018年8月19日 21時) (レス) id: 72513d01c9 (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 面白いです!何回見ても飽きません!更新待ってます。これからも頑張ってください。 (2018年8月16日 11時) (レス) id: 3e86faee5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綺藤 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年3月23日 19時

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