【名探偵コナン】アメリカから天災が来日した件について。#3【ギャグ】

File 14 絶海の探偵エピローグ ページ8

美しい夜景が広がる舞鶴港にイージス艦『ほたか』が入港すると、岸壁には赤色灯を点滅させたたくさんのパトカーや救急車が停まっていた。
揚錨機が錨を降ろしていき、乗客たちがぞろぞろと甲板に出て来る。コナンは勇気を連れて柵の前に行くと、岸壁を警官に先導されて走ってくる勇気の父親を指さした。


「勇気！」


甲板に立っていた勇気を見つけた父親が大きく手を振る。


「お父さん……！」


勇気は甲板を駆け出してタラップを降り、出迎えた父親に泣きながら抱きついた。隊員たちは笑顔でそれを見守り、甲板から勇気を見ていたコナンは、勇気と目が合うとニカっと笑って敬礼をした。勇気も父親の腕の中でキリッとした表情を見せると、コナンに敬礼をした。


◇◇◇


園子や子どもたちと一緒に岸壁に降りてきた小五郎は、


「フアァ……眠くてたまらん……」


大あくびをしてペタンとその場に座り込んだ。眠そうな目で辺りを見回し、蘭がいないことに気づく。


「んあ……おい、蘭のヤツはどうした？」
「大丈夫ですよ。病院で治療を受けてますから」


園子が答えると、小五郎は「そうか」と眠そうに首を垂れた。


「あいつと小僧はすーぐどっかに行っちまうんだから……ん？病院？」


小五郎はガバッと顔を上げて立ち上がった。


「病院！？何でだッ！！」


園子と子どもたちは小五郎の反応にきょとんとした。


「何でって、海に落ちたからだろ」


元太があっさり言うと、


「う……う……海に落ちたーーッ！？」


小五郎は真っ青な顔で叫んだ。


「でも、命に別状はないって――」


光彦が言い終わらないうちに、小五郎はショックで倒れ、ドボォォォンと海に落ちた！


「キャーッ！」「おおおッ」


園子と歩美、元太があわてて海に駆け寄り、光彦は「誰かぁ！」とイージス艦の方へ走った。


◇◇◇


「おい、誰か落ちたぞ！」「急げッ！」


隊員たちが浮き輪を持って駆けていくのを、コナンはあきれ顔で見送った。


(あ〜あ、何やってんだかな……)

『おい、聞いとんのか工藤』


持っていた携帯電話から平次の声が聞こえてきて、コナンは「あ、わりぃ」と苦笑いした。


「こっちは何とか解決できたよ。後処理の方がいろいろ大変だろうけどな……」


コナンはそう言いながら、連行されるXや倉田を見た。そして父親に手を引かれて歩く勇気の姿を見て微笑む。


「ケガの方は大丈夫か？」
『あーなんてこちない、かすっただけや。たいしたことない』
「ありがとうな、服部」


コナンが礼を言うと、平次のフッと笑う声が聞こえてきた。

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