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「それだ!その光を追って!」
私が叫ぶと、七海さんが「え!?」と振り向いた。「あのゴミを……?」
「あれは毛利のおじさんの名刺だ!」
七海さんは甲板でもらったおじさんの金色の名刺を思い出したようで、
「ヘリを向かわせてください。お願いします、艦長!」
七海さんの真剣な表情を見た立石艦長はうなずき、マイクを近づけた。
「光る浮遊物をたどれ。密集ポイントに遭難者がいると思われる」
『了解!』
哨戒ヘリコプターは急降下して海面をサーチライトで照らすと、光る浮遊物を追った。すると、浮遊物がどんどん増えてひときわ輝く場所があった――。
『浮遊物が密集しているポイントに到着!これより降下します!』
一同が緊迫した表情でモニターを見つめた。園子ちゃんが目を閉じて祈る。すると、
『直下に何かあります!』
飛行士の声が聞こえた。モニターのあちこちでおじさんの名刺が光っている。
『明らかに浮遊物とは違います』
子どもたちは不安そうにモニターを見上げた。私も険しい目で見つめる。
海面はヘリコプターの風圧で波紋が広がり、名刺が光の渦のように輝いた。その波間に人の頭が見え隠れしている――!
『……発見!遭難者を発見!』
飛行士の声に一同がハッとした。
『生存を確認!これより救助を開始します!』
隊員たちから「おぉーーッ!!」と歓声がわき上がった。
「やったあぁぁ!」「お姉ちゃん!」歩美ちゃんと勇気君が手をあげて喜び、「うおおおお!」「やりましたよ元太君!」光彦君はガッツポーズをする元太君に抱きついた。
園子ちゃんも「やったあぁぁ!」と泣きながら跳ねる。
佐藤刑事は「やったぁ!高木君!」と喜びのあまり高木君に抱きついた。
立石艦長はフゥ……と息をつき、マイクを近づけた。
「ご苦労。よくやってくれた。収容後、ただちに病院へ向かってくれ」
『了解。遭難者は意識があるようですが、念のため病院に急行します』
◇◇◇
「礼を言うよ……七瀬……」
艦長が真尋に告げたその言葉は周りの歓喜の声にかき消されたが、近くいた七海だけがその言葉を驚きの表情で聞いていた――。
◇◇◇
ヘリコプターに引き揚げられた蘭は、毛布で包まれて担架に乗せられた。
意識が朦朧とする中、うっすらと目を開けて微笑む。
「新一……」
そうつぶやくと、再び目を閉じた――。
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綺藤(プロフ) - Mahoさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると幸いですヽ(*´∀`)ノこれからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2018年8月10日 9時) (レス) id: 860dd52b69 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラ好きです!更新頑張ってください。 (2018年8月9日 0時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年8月9日 0時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
綺藤(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます! そう言っていただいて嬉しいです! これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします(*^^*) (2017年11月24日 22時) (レス) id: 860dd52b69 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます!更新楽しみにしてます!夢主ちゃんめちゃくちゃカッコいいですね(^^)うらやましいです(´・ω・`) (2017年11月24日 0時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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