◇ ページ36
「お、お前は、探偵ボウズの、工藤新一!?」
小五郎さん、違うんだよ。こいつは関西人なんだよ。西の高校生探偵の服部平次なんだよ。
あれ?そういえば、このメイクどうしたんだろ?あの色黒をここまで白くするなんて……映画の特殊メイクの人とかがやったのかな。日本の技術ってすげーわ。
「工藤新一って死んだんじゃ……」
周りの化け物達はざわざわし始める。
私は一人甲板の影から下を見下ろした。こう見ると化け物ばっかで気持ち悪い。慌てる化け物を見つつ、いろんな化け物を見ていく。個性豊かですなー。じゃなくて。
ははーん。そういうことね。
「服部君!私、戦線離脱〜。犯人、狼男でしょ?」
服部君の驚いた顔――といっても顔は工藤君なのだが――を見つつ笑顔の私は甲板から降りていく。途中、化け物達に「お前、何してんの!?」という視線を受けたが無視だ。お前らこそいい歳してなにやってんだよ。
私にはやるべきことがあるのよ。
私は1人、ざわざわしている幽霊船の中を歩いていく。しかし、しばらく歩き奥に進むと人が……いや、化け物がいなくなくなっていく。
「んー、この辺だっけな」
と、私は船の下にある倉庫に入っていく。暗闇の中、私の持つペンライトの光だけがきらめいている。ったく、どこに置いたかな。
「あー。いたいた」
私は場に似つかわしくないほどにっこりと微笑んだ。
「久しぶり。私のヤマハちゃん」
◇◇◇
服部(工藤の顔)は驚きのあまり固まっていた。
いやいや、姉ちゃん。どこいくん!?確かに犯人は狼男やけど。見届けようとか、推理に加担する気はなく戦線離脱!?もっかい言うけどこの状況でどこいくん!?てかさっき後でゆっくり話そ言うたやんけ。
頭はクエスチョンだがここで抜けるわけにはいかない。
なぜなら自分は工藤の代わりを務める必要があるからだ。
「カッコつけて出てきたとこ悪いが……犯人はアリバイもなければ悪魔のカードも持ってない、このミイラ男で決まりなんだよ!!この推理のどこが見当外れって言うんだ?おい!なんとか言ってみろ!!」
内心、アホかおっさんと思いつつ、
「カードは多分、ミイラ男さんに罪をかぶせるために犯人がスリ取ったんでしょう」
工藤、頑張れや!とエールを送りつつ、
「そこにいる狼男さん、あなたに……トイレの中でね!!」
真尋の姉ちゃんどこいったんや……と心の中で再びため息をついた。
俺だけ損な役回り。合掌。
109人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
綺藤(プロフ) - Mahoさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると幸いですヽ(*´∀`)ノこれからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2018年8月10日 9時) (レス) id: 860dd52b69 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラ好きです!更新頑張ってください。 (2018年8月9日 0時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年8月9日 0時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
綺藤(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます! そう言っていただいて嬉しいです! これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします(*^^*) (2017年11月24日 22時) (レス) id: 860dd52b69 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます!更新楽しみにしてます!夢主ちゃんめちゃくちゃカッコいいですね(^^)うらやましいです(´・ω・`) (2017年11月24日 0時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ