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◇◇◇
CICの無線に哨戒ヘリコプターの飛行士の声が飛び込んだ。
『諸島海域に到着。これより捜索に入ります!』
「スピーカーで呼びかける!こちらに回してくれ」
『了解!』
味谷はスピーカーで蘭に呼びかけた。
「毛利さんッ、毛利蘭サンッ!援助に来ました!必ず助けます。もう少しです。頑張ってください!」
すると泣いていた園子がスピーカーに駆け寄った。
「蘭!蘭どこなの!?」
子どもたちと勇気もスピーカーに近づき、「お姉ちゃーん」「もうすぐ助けるぞー!」「頑張ってください!」「お姉ちゃん死んじゃいやー!」と大声で叫んだ。
コナンは子どもたちの背後に立ち、焦る気持ちを抑えながら必死で考えをめぐらせていた。
(落ち着け……まだあるはずだ……蘭を見つける方法が……!)
『波がさらに速くなっています。捜索範囲の拡大が必要かと……』
ヘリコプターの飛行士から無線が入り、立石艦長がマイクを手に取った。
「日没まで時間がない。エリアをアルファ―ブラボ―フォックスに限定し、捜索を続行しろ!」
『了解!アルファ―ブラボ―フォックスに向かいます』
ヘリコプターは旋回し、サーチライトで海面を照らしながら飛んでいった。
◇◇◇
ヘリコプターのサーチライトが遠くに見える海面から、プハァッ……と蘭が顔を出した。手足をばたつかせて必死で海面に出ようとするが、大波にあおられて再び沈んでしまう。
切り裂かれてボロボロになった救命胴衣が蘭の身体から外れ、飛び出した小五郎の金ピカ名刺と共に流されていく。蘭は救命胴衣に手を伸ばしたがつかめず、ゴボッと息を吐いた。
◇◇◇
CICのメインモニターにはサーチライトで照らされた海面が映り、一同は緊迫した表情で見つめていた。
「だいぶ暗くなってきましたね……」
七海さんが言うと、立石艦長が「うむ」とうなずいた。
「日没まであと十五分もありません」
井上さんの言葉に、身を乗り出してモニターを凝視していた園子ちゃんが振り返った。
「日没なんて関係ないでしょ!ずっと探してよ……見つかるまで蘭を探してよッ!」
園子ちゃんは大粒の涙をこぼしながら、肩をワナワナと震わせた。一同が彼女を見つめ、シンと静まり返る。
重苦しい空気の中、丸山さんが「そうしたいのはやまやまだが……」と口を開いた。隣の岸さが険しい表情で園子ちゃんから目をそらす。
「この時期、日没少し前の五時になると、水温が急激に下がるんだ。だから五時以降に発見できたとしても……」
「よすんだ、岸!」立石艦長が厳しい口調で制止した。
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綺藤(プロフ) - Mahoさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると幸いですヽ(*´∀`)ノこれからもよろしくお願いいたします(*^^*) (2018年8月10日 9時) (レス) id: 860dd52b69 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラ好きです!更新頑張ってください。 (2018年8月9日 0時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年8月9日 0時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
綺藤(プロフ) - 美空さん» ありがとうございます! そう言っていただいて嬉しいです! これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします(*^^*) (2017年11月24日 22時) (レス) id: 860dd52b69 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - 続編おめでとうございます!更新楽しみにしてます!夢主ちゃんめちゃくちゃカッコいいですね(^^)うらやましいです(´・ω・`) (2017年11月24日 0時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
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