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｢……やっぱさあ、Aさんええんちゃう？｣
｢せやんなあ！頭いいししっかりしてるやろ〜？｣
｢せんせ！それでええと思う！｣
｢んーー、てことでA、クラス委員長、推薦されてるけど、お前ええか？｣
……はっ？
数式で彩られた私だけの世界から、
信じ難い言葉によって現実に引き戻される。
｢えっ！？｣
いや、全っ然話聞いてなかった……！
｢えっ、あの、私がなんですか？｣
｢せやから、お前クラス委員長でええんやないかってみんな推薦してんねんけど、どうや、やらへんか｣
｢いや、あの私……｣
｢いいでーーす、『天・才・さ・ん』やし、やってくれるやろー？？｣
はあーー？？？
ちょっと嫌味っぽく言ってきたそいつは
私が変な受け答えしちゃって空気を悪くした、昨日の彼女。
いや、名前知らんけどお前あとで覚えとけよ……
とは言えず。
みんなが私を推薦したのだって、きっと自分がやるのがめんどくさくて、ちょうどやってくれそうな｢優等生キャラ｣が居ったからや
ってのはわかってんねんで。
｢……はい、やります……｣
そう返すことしかできずに、
この時ばかりは、周りに関係なく参考書開いてた自分を自分で恨んだ。
クラスに溶け込んでいこうともしない私がクラス委員長とか、
オカンが聞いたら鼻で笑いそうやな
｢で、副委員長も決めなあかんのやけど｣
と、先生。
｢んー、Aが委員長やし、面倒見てくれって意味で横山、どうや｣
｢はっ？！｣
先生、何を言ってるんですかあんたは
よりによって何故、
朝からバイクぶっぱなしてたド金髪のあいつと
学級委員やらなあかんのよ！！！
｢横山は副委員長で、しっかりしてるAさんがおったらちゃんとしてくれそーやん｣
｢ええと思うで〜｣
とクラスの男子。
こうして、私の、平穏に始まったはずの高校生活２年目は
絶対私に向いてないクラス委員長を押し付けられ
さらに学校1のヤンキーの面倒見係までやらされるハメになり
最悪の幕開けとなったのだった。
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作者名：mamico | 作成日時：2019年7月1日 2時
