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お化け屋敷から無事に出られたものの、
うちはお化けに対して喚いて叫んで、
しまいには横山にしがみつきながら暗闇を進んでた。
後半は怖すぎてなんも覚えてない。
｢A頭ええし、クールやからこんなん平気なんかと思ってたわ〜
案外可愛ええとこあるやん｣
｢は？バカにしてるやろそれ｣
｢してへんしてへん！｣
こんなん一生の恥やわ、こんなやつにしがみついて怖がってたとか。
そんなこんなで模擬店をまわってたら、舞台準備のための集合時間。
うちは先に照明・機材班と、舞台裏で準備をする。
役者班は教室で着替えて通しリハをしてから来るはず。
まあ大丈夫、上手くいくやろ。
今日で最後。
横山、
こんなうちに充実した日々をくれて、
ありがとう
……なーんて柄にもないことを考えていた。
役者班もそろそろ集まってきて、今発表してるとこが終われば、次がうちらの出番。
｢Aさん！！！｣
うちの名前を呼びながら慌てて走ってくるクラスメイト。
よっぽど慌ててきたのかその息は上がっている
｢どうしたん｣
｢……が、｣
｢え？｣
｢横山くんが、居らんねん、どこにも
連絡もつかん｣
その場がざわつく。
｢俺さっき、誰かの電話に慌てて出てるの、見たで｣
｢そんときなんて言ってたん？｣
｢なんか…、『どこにおるんや、今すぐ行く！』って、言ってたで、多分。｣
｢あ、じゃあ俺その後なんかな？教室から出てきてめっちゃ走ってどっか行った｣
口々にみんなが言う。
どういうこと？
どちらにしても、横山もこの舞台も、ただ事ではないことはわかる。
ひとまず横山がもし発表に間に合わへんかったら、誰かが代わりにあいつのセリフを言わなあかん
代役を立てるのが先決
｢誰かなんも役がない人、……は、居らんよな｣
｢Aさん、がその部分のそのセリフだけ覚えて出てくるのは？｣
｢うん、うちも思った。それしかないわ。監督として、うちがやります｣
急いで髪をセットして、着たこともなかった短ランを羽織り、舞台に出る。
そもそもギャグ路線の舞台やから、女子が男装して出てこようがなんの支障もなく流れは成立した。
｢やんのかコルァァァァ！！！！｣
喧嘩をふっかけるセリフを言って、
ひとシーン終えて舞台袖にはける。
｢Aさん、横山くんを探しに行って！！！｣
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作者名：mamico | 作成日時：2019年7月1日 2時
