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そもそも、この学校生活に期待なんてもんは最初から無かった。
家から近いっていう理由だけでこの学校を選んだけど。
周りを見渡せばわかる。
馬鹿みたいにうるさいギャルギャルの女子達
今日もまつ毛ふぁさふぁささしてさ。
もうそれ日本人の髪色ちゃうやんみたいなド金髪と赤髪とでじゃれあってる男子達。
私とは世界が違う人たち。
私は、今日も
参考書とにらめっこ。
入学した時からこうやから
もう誰も話しかけてこぉへんし
別にそれで居心地いいし。
窓の外を見ると
目を逸らしたくなるくらいに眩しくて、
そしてまだ柔らかい暖かさをした太陽が
私を包んでいた。
桜の花びらが暖かさをのせて舞い落ちる。
花びらが落ちていく軌道の方程式って
求められるんかなとか
舞い散る桜をみてこんなこと考えるような女子高生、そうそう居らんっていう自覚だけはあるわ。
あ、あの軌道やったら方程式、案外簡単そうやな。
「ねーーー、Aさんさぁ、桜の木を見て詩とか考えるタイプぅ?」
「ずっとあの桜の木見てたやんなあー??」
唐突にギャルに話しかけられた。
び、びっくりした。
「……別に。詩みたいに曖昧ではっきりしない感情を表現するのが美徳みたいな考え方は嫌いやから。」
コミュ障なん、私?
自分でも何言ってんのかわからへんわ。
あ、そ…… とだけ言ってギャルは言ってしまった。
……ま、別に友達になりたい訳ちゃうし。ええねんけど。
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作者名:mamico | 作成日時:2019年7月1日 2時