一緒がいい ページ3
聞こえた方を向くと、Aより少し年上だろうか
20代後半ぐらいの男性がいた。
「急にどっかに行ったらダメだろ」
そう言って近づいてくる男性。
壊理は、ぐいっとAの服の裾をつかむ。
怖がっている顔だった。
かなり歳離れてそうだけど…兄妹だったりするのかな…
そう不安ながらもその光景を放っておくわけにもいかず、Aは声をかけた。
「あのっ…壊理ちゃんのお兄さんですか？」
「……まあ、はいそんなとこです」
Aの質問に気だるそうに答える男性。
壊理ちゃんが何故お兄さんの存在を嫌がっているのかは、
分からないけど、帰りたくないのかな。
そう考えていると男性が口を開いた。
「壊理早く来い。皆、心配してるんだぞ」
少しずつイラつきが見え始める。
壊理は、黙ったままだ。
兄妹喧嘩に口を出すつもりもないAは、
その光景を黙ってみる。
「………いい」
「ん？どうしたの？」
壊理が小さな声で呟いたので、
もう一度聴こうと声をかけるA。
「お姉ちゃん…とがいい」
そう言って、兄であろう男性の方をまっすぐ見る壊理。
私も一緒はちょっと無理があるんじゃないかな？
「お姉ちゃん…いっぱい…遊んでくれた」
「壊理。一時の感情で、そういうことを言うな。
その人だって迷惑だろ」
その言葉を返され、壊理は泣きそうな顔になる。
うーん…ずっとこのままだと進まない気が。
まぁ、ただすることもなく歩いてただけだし、特に予定とかもないから…
「別にいいですよ。家まで一緒に行きます」
そう言うと壊理と男性が一斉にこっちを向く。
なんかまずいこと言った…かな。
「いいの…？」
そう小さく壊理に聞かれ
ニコッと笑うA。
ヒーローって訳じゃないけど、
お手伝い程度にはなるだろうという安易な考えだった。
「助かります。でも、大丈夫ですから。引っ込んでてください」
その言葉にカチンと来るA。
「いやいや…引っ込んでろと言われましても、
こっちもやると決めた以上果たさせてもらわないと」
結構頑固な性格のAは、男性に笑みを浮かべながら、
はっきりと言い切った。
「そっちの方が迷惑ですから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 908人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご同盟＠前世アホウドリ - 切りよく580票にしてやりました( ･´ｰ･｀)どや (12月23日 9時) (
レス) @page1 id: 0ffa051ff9 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - キリの良い500票のあとに投票して良いのか悩みましたけど面白かったので投票しちゃいました笑(悩んだ時間１秒) (2020年4月22日 11時) (レス) id: c4218e00f5 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - パストマスクになってまっせ。ペストマスク (2020年2月2日 22時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです！これからも応援してます(*´∀｀) (2019年3月10日 13時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
ねじる - 呼び方・・・。廻君って・・・。カァイイ← (2018年12月15日 23時) (レス) id: b17a466711 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ての | 作者ホームページ：http://tenorishu
作成日時：2018年2月7日 1時
