朝 ページ17
翌日の朝
いつも通り5時に目を覚ますA。
横を見ると、一緒に寝て欲しいと
せがんできた壊理の寝顔があった。
「起きた時、1人にしちゃうね。
ごめんね…廻くんが多分来てくれるから…」
そう言って、壊理の髪を撫でると
ベッドから離れ、スーツに着替える。
昨日、壊理が寝てから書いた辞表をカバンに入れる。
「行ってきます」
そう静かに言ったのだが、壊理はムクッと
起き上がる。
「……お姉ちゃん…？どこ行くの？」
「壊理ちゃん起こしてごめんね。
ちょっと今から大事な用事があるから…
行ってくるね？」
そう言って泣きそうな壊理の顔を見る。
頭を撫でると、ギュウッと引っ付かれる。
後ろ髪を引かれる思いとはこういうことか…。
躊躇いもあったが、これも壊理のためと思い、
ひきはがす。
「絶対12時には、帰ってくるから！ね？」
「本当…？」
「うん。約束」
そう言うと、壊理は
涙を浮かべた目を拭き、
行ってらっしゃいと笑顔で言った。
ガチャッと扉を開ける。
「…なんだ」
「廻くん…壊理ちゃんちょっとの間
よろしくね」
分かったと素っ気なく返す廻の言葉が
すごく心地よく聞こえた。
壊理は1人にしてしまって
泣いているのだろうか？
それを廻が慰めているのだろうか？
と電車に乗りながら考え、会社に着いた。
「今まで大変お世話になりました。
誠に勝手ながら、本日をもってやめさせていただきます」
心なしかその言葉は、
煌びやかに光っているように思えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 908人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご同盟＠前世アホウドリ - 切りよく580票にしてやりました( ･´ｰ･｀)どや (12月23日 9時) (
レス) @page1 id: 0ffa051ff9 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - キリの良い500票のあとに投票して良いのか悩みましたけど面白かったので投票しちゃいました笑(悩んだ時間１秒) (2020年4月22日 11時) (レス) id: c4218e00f5 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - パストマスクになってまっせ。ペストマスク (2020年2月2日 22時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです！これからも応援してます(*´∀｀) (2019年3月10日 13時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
ねじる - 呼び方・・・。廻君って・・・。カァイイ← (2018年12月15日 23時) (レス) id: b17a466711 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ての | 作者ホームページ：http://tenorishu
作成日時：2018年2月7日 1時
