万代の巻10 ページ20
朝見たやつがやって来たではないか。
Aは絶句する。最早どろろのように驚くことさえできない。
敵意は無いから大丈夫。大丈夫。百鬼丸もいざという時は何とかしてくれる。
「おい！そこにいるよ！
目の前！こないだみたいにやっつけてくれよ！
おい何してんだよ早く！
Aも何とか言ってくれよ！」
「はは…」
乾いた笑いをして余裕そうなムーブをかますが内心心臓が飛び出そうな程震えているし、冷や汗も出ている。
そんな時にその化け物は
「やろうかあ？」
と言った。
その言葉で先程の震えは何処へやらAは考え始めた。
やろうか…戦うということ？
でも、戦うならやろうかと言わず、普通に切り掛かってくるほうが手っ取り早いだろう。
なら、何かを与えようとしている？
でも何を？私たちがあったのは朝のこと。それにこの化け物と接点すら無かった…。
ふーん…やっぱりこの村なんかおかしいな。
「ほらやるかって言ってる
待ってろ今やってやる！」
「どろろ落ち着いて…
多分意味が違うから」
「Aも聞こえただろ！？何冷静に言ってんだ！
早くこの手抜かねえと…うう…早く…」
無理矢理にどろろが百鬼丸の手の刀を出そうとする。
駄目だ。混乱してる。
壊されたらたまったものじゃない。
酷いなんて言われるかもしれないが、百鬼丸を任されたんだ。やるしかない。
「離して」
「うわっ！」
Aはどろろを突き飛ばした。
その間に化け物は去っていく。
「もうなんなんだよ！」
「あの…」
「ひっ」
伝吉の声にびっくりするA。
こっちの方がよっぽど不気味だ。
なんでこんなタイミングよく来るんだ。
どう見てもおかしいだろ。
「化け物は出ましたか？」
「あぁ…出たけど
今日は様子見だ。うん…大したことなかった」
「そうでございますか
ところでA殿と言いましたか」
「…あ、はい」
なんだ。化け物の話などどうでも良いような言い方で。
怪しい伝吉に疑心感を持ちながら要件を聞く。
「良ければですが馬小屋ではなく、こちらで寝ますか？
女性なのですから、体を冷やすと良くないでしょう」
「…いい。ここで十分だ。冬でもない。遠慮するよ」
「そうですか。では」
値踏みをしたかったようだが、誰がさせるか…。
そう思っていれば、どろろが思ったよりも近くにいたことに気づく。
「Aなんでオイラを突き飛ばした！」
続く
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おはぎ(プロフ) - 名無し19389号さん» コメントありがとうございます！この秋にどろろを初めて見まして、どっぷりハマってしまいました！これからいろんな展開を見せていくので、引き続きよろしくお願いします！ (2021年11月27日 15時) (
レス) id: 04160e4038 (このIDを非表示/違反報告)
名無し19389号(プロフ) - てのさんのどろろの作品大好きです！！😭😭 (2021年11月26日 21時) (レス) @page13 id: 9c652c1e25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ての | 作者ホームページ：http://tenorishu
作成日時：2021年11月14日 4時
