10 - 関係性 ページ10
*
慣れない環境だと、やっぱりそれも体に出るらしい。
朝からずっと体が重くて 時間があると机に伏せている。
男子数名が甲斐くんのとこに行き、いつのまにか須永くん 石倉くん達と掴み合いになっている。
柊「楽しそうだねぇ、」
扉の方に視線を移すと、柊先生が妖しげに笑みを浮かべている。
そんな柊先生に甲斐くんが相手になれ、と喧嘩腰で。
それに乗った先生。
机と椅子を後ろの方に移動させ、わたし達も全員 後ろに立つ。
左には真壁くんがいる。
そう思っただけで少しだけれど、心が落ち着くのが分かった。
香帆ちゃん、華ちゃん、未来ちゃん、さくらちゃんとアイコンタクトを取る。
さくらちゃんが美術準備室に行ってくれるのだ。
香帆ちゃん達はばれないよう、体を寄せている。
そんな連携技とは対照で、目の前に広がる光景に頭は未だに追いつかない。
２人が殴り合いをする音、机に倒れ込む音、そして怒号。
全てが見慣れないもので、怖くて足が震える。
咄嗟に 真壁くんの左腕の制服の袖をギュッと握った。
「･････････っ、」
迷惑だったかな、なんて思っていると
真壁くんが 制服の袖を握っているわたしの手を握ってくれた。
真壁「大丈夫、」
２人を目で追いながらわたしにそう声を掛けてくれる。
「うん、、、。」
柊先生が甲斐くんに問い掛ける言葉で、やっと何を抱えていたのかが分かった。
甲斐「見捨てられるのが落ちじゃねぇか!!」
石倉「ふざけんじゃねぇよ！お前のそういうとこがムカつくんだよ、」
なにも相談してくれなかった甲斐くんに、石倉くんが声を震わせながら訴える。
その姿を、少し羨ましいとさえ思ってしまった。
柊「動画を加工したのは誰だ」
甲斐「言えねぇ!!」
２人のやり取りを見て、甲斐くんがどういう感情で言ってるかが分かるから
苦しくなって思わず真壁くんの手を握る力を強めてしまったけど
それをも優しく包んでくれた。
柊「俺を、信じろ」
柊先生の発言に対して、甲斐くんは「人殺しを･･･」と声を漏らす。
茅野「信じてもいいと思う。」
やっと、さくらちゃんが帰ってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葉月★Я | 作成日時：2019年1月21日 22時
