【天才作家スズ】チーズケーキ姫はシュークリム王子の好きな人！？

クリスタルのハート[ヒロ目線] ページ27

女公爵「材料は、まとめてメインテーブルにのっている」

そう言いながら女公爵が、グラニュー糖やゼラチンがのっているテーブルを指した。

女公爵「作るのは、プランスとカイ、それに成宮、あとヒロのホワイトデーのマシュマロだ。ごっちゃにならない様に、テーブルを分けた。」

キッチンの奥に向かって4つの調理用テーブルがあり、それぞれにプランス、カイ、ヒロ、成宮と書いたプレートや、料理器具がおいてある。

各プレートの下には、必要な材料の量や数を書いたレピシがおいてあり、また器具には1個1個に4人の名前がついていた。

うん。さすが…
準備だけで手間がかかってるな…

女公爵「マシュマロは、桜色にする。もうすぐ桜の季節だからな。1個1個を桜の花びらのかたち、つまりハート形に作るんだ」

女公爵「出来たらナイロン袋に入れて、その口をこのリボンで結ぶ」

プランスのテーブルには金のリボン。
カイのところには緋色のリボン。
成宮にはエメラルドグリーンのリボン。
そして、俺のところには深い海の色のリボンが置いてあった。

女公爵「リボンを結ぶのだけは、本人がする。」

そう言いながら女公爵は、手に持っていた小さな箱をテーブルに置いた。

女公爵「で、これがクリスタルのハート、4つ」

箱を開けると、黒に近いような濃い群青色のビロードの布があらわれた。

女公爵「クリスタル・ブランドのスワロフスキー社に特別注文して作ってもらった。先日、ウィーンから届いたばかりだ」

女公爵がビロードの布を開くと、皆が一斉におおっ！と言った。

その中には、眩しいほどきらめく、透明でピンク色のハートが4つ入っていた。

綺麗だな。
俺は、思わず昔の事を思いだした。

『お母さんっ！見てみて〜！』
無邪気に鏡を見て笑う女の子。

考えていると、頭が痛くなってきたので、俺は考えることをやめた。

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