【天才作家スズ】チーズケーキ姫はシュークリム王子の好きな人！？

仁との口喧嘩[ヒロ目線] ページ22

見てみると、プランスは窓ぎわのソファに座って足を組み、英語の雑誌を広げていた。

ふぅん…カッコよくなってんじゃん…
こんな間近で見るのは、今日が初めてだ。
写真とかでも見たけどやっぱり実物の方がカッコいいな…

プランスの後ろに女公爵が立っていて両手を椅子の背につき、同じ雑誌をのぞきこんでいた。
女公爵は俺に気づいたようで、こっちを向いて微笑んだ。

プランス「動物は、どうやって春を知るのか」
そう言いながらプランスが英語の雑誌を閉じ、スズの方に目を向けた。

プランスとスズの距離はおよそ5cm。
プランス「スズ、いきなり近寄ってきて、お前の顔を、私にくっつけるのはやめろ」

プランス「自分の席につけ」
命令形だなぁ…
プランス「何か、文句でもあるのか」
ヒロ「ある」
その言葉に、プランスは俺を見た。

ヒロ「誰だってそんな命令形で伝えられても、いい気はしないしやる気もなくなる。もうちょっと優しく言ったらどうだ？」
プランス「お前、ヒロといったな。私にはむかうつもりか？」

そう言って、俺を睨んだ。

ヒロ「はむかう？とんでもない。少しアドバイスをしただけだけど？」
プランス「私は、今すぐお前を退学にしてやる事もできるんだぞ？」

ヒロ「へぇ。親の力で。だろ？どうせ『自分の力では何にも出来ないくせに』」

周りの皆はオロオロと俺達を見ている。
ヤバいかもしれないな…
少し言い過ぎたかも…

そう思っているとプランスは目から怒りを消した。

プランス「その言葉。昔、私の大切な人が言った言葉だ。その言葉に免じて今日はここまでにしておいておこう」

皆はホッとしたような顔を浮かべた。

それよりも俺は気になっている事があった。
大切な人が言った言葉？
誰だろう？

プランス「おい、スズ。動物はどうやって春を知るんだ？」

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