【天才作家スズ】チーズケーキ姫はシュークリム王子の好きな人！？

うわさの2人［スズ目線］ ページ12

「手作りだから、1個も10も、材料費はほとんど変わらないんだもん。ついでよ。ついで、わっはっは」

「まぁ、義理チョコっていうやつがあるからな」
ヒロがそう言う。
男子もその事を自覚しているのかもね。

｢で、スズちゃんは、どんなチョコレートにしたの？手作り？｣
「ん、叔母さんに手伝ってもらったんだ。アマンド・シェコラテだよ」
「誰にあげたの？｣
「真矢先輩と井深先輩。あとヒロ」

ミャーコは、目をまん丸にした。
「あの人達こそ、大変だったでしょ？｣
えっ？

「だって真矢さんと井深さんっていったら、高等部で一番目立ってる2人じゃない。2人揃って特別クラスIGSの花形だし、スポーツ万能、180もあるIQをいかして成績バツグン、顔もふくめて全身カッコいいし、生徒会の役員やってるのも余裕があるからだし、テレビの『高校生知能選手権』に出て、全国から集まった高校生を軽くやっつけて優勝してからは、その人気はもう全国区。いろんなとこからファンレターやプレゼントが届く名物ペア｣

ええっ！
ヒロとミャーコが話し出す。

「高等部って、中等部より生徒数が多いじゃん｣
「確か5倍位いるんだよな。」
「そうなの。その女子のほとんどが、あの2人のうちのどちらがファンで、バレンタインデーには、チョコレートが殺到したって話だよ」
「マジか！」
「うん。あ、そっか、ヒロは仲良しなんだっけ」
「う、うん…….まぁ、ちょっとな」

でも、私が持っていった時には、ヒロしか居なかったよ。
「学校の事務局にも、全国各地から、あの2人あてのチョコレートがいっぱい届いたって聞いてるけど｣

そんなの、見なかったけど……｡

「きっと時間差だ。スズちゃんが、生徒会役員室に行くのはいつもお昼でしょ？バレンタインの日もそうだった？｣
うん。

「じゃ、あの2人、スズちゃんのために特別に空けておいたんじゃないの。生徒会役員の掲示板に、チョコレートの受け付けは、郵送ぶんもふくめて放課後のみと書いておいたとか」
まさかぁ！？

「やりそうだよ。あの2人とも空気読めるし、気ぃ遣うし、おとなだしさ」
そっか……。
後で行って、聞いてみようかな。

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