【天才作家スズ】チーズケーキ姫はシュークリム王子の好きな人！？

本人居るけど…［スズ目線］ ページ11

「ホワイトデーの日に、シャーベット寮のキッチンでお茶会のメンバーが協力してマシュマロをたくさん作る。それをプランスがラッピングして、チョコをくれた女子に配るの｣

え……それってふつうじゃない？
まあ、ちょっとは違うけど。

「そのたくさんのマシュマロの中には、一個だけ、クリスタル製の小さなハートが入っているのがある｣
わ！変わってる!!

「で、自分がもらったマシュマロの中にそのハートが入っていたら、次のバレンタインデーまでの間プランスと親しくできるのよ｣

「はい。質問!!」
私は手をあげる。
ミャーコは、コホンとせきばらいした。

「なんだね、鈴木美鈴クン｣

「あの……親しくできるって、具体的にどういうことができるってことですか？」

「1つは、プランスに個人的に声をかけることが許される。｣
わっ！今まで声かけちゃいけなかったんだぁ！

「2つめは、プランスをいろんなところに誘ってもいい｣
わわっ！それもいけなかったんだ！

「3つめは、プランスと一緒にシャーベット寮のお茶会に出席できる｣
わわわっ！それもダメだったのか！！

「つまりハート・マシュマロをもらえて人が、プランスの今年の本命彼女ってわけ｣

「変わってて、面白いよね、それ」
するとミャーコは、嫌な顔をした。
｢面白くなんかない。不安で、胸がつぶれそう……｣

まるでしおれた植物みたいに、しんなりとうつむく。

「私のとこにハートが来なかったら、誰のとこに行ったんだろうと、気になってたまらないじゃん。それに、もしハートが来たら来たで、今度は皆の注目的になって、することなすことコソコソと陰口をきかけれるに違いない。ああ、プランスになんかやらなきゃ良かった。カイと、ヒロだけにしとけば良かった｣
え？本人ここに居るよ？


だけど、ヒロはそんなこと気にしていない様子だった。
心が広いんだね。

「ミャーコさん、結構気が多いね。本命は誰？」

「まかぬ種は生えぬって言うじゃない。ヘタな鉄砲、数うちゃ当たるとも言うし。だからとりあえず10個ほど配ってみたの｣
げげっ！！

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