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可愛い坊や ページ6

親父たちに会えて
抱き締めてもらってからも
私は涙が止まらなかった
最初はみんなに会えたから
嬉し涙かと思った

でも、なぜか心のどこかが
欠けたような感覚がずっとあった


「いいさ、いっぱい泣けA」


親父にそう言われて、親父の腕の中で
ずっと泣き続けた

違うの、この涙はきっと


瞬時、ぞくっと鳥肌が立った
止まらない涙が止まり
嫌な気配のする方角を見る
その気配を感じ取ったのは
親父も同じだった


「親父?A?どうしたんだ・・?」


「下がってろお前たち
・・・こいつはまずいぞ・・」


親父の後ろで、気配のする方角を凝視する

みんなには見えているのだろうか
あの黒いドロドロした女性のような何かが
結構距離もあるのに
その女性と思われる声が聞こえた
女性は死んでいる誰かを
抱きしめながら言っている


『可愛い、可愛い私の坊や

可哀相に・・・邪魔者にされて・・

もう大丈夫よ、母が今・・・

貴方が住みやすい世界を
造ってあげるわ!!!!』


女性が黒い液体を纏って
死んでいる誰かに覆いかぶさった

途端に突風がこちらまで届く
風が強くて飛ばされそうになると
マルコさんが抱きしめて守ってくれた

風がやんでから、恐る恐る
さきほどの方角を見た


「・・・・!!
あの子は・・・・」


死んだと思っていた誰かは
起き上がって虚ろな目で空を見る

周りには黒い影が
彼の周りでゆらゆらと揺れている

知ってる、知ってる、あの子は
私の・・・・


「あの時のお返しだァ!!!」


「・・・・!!」


麦わらの一味であるゾロが
彼に剣術で勝負を挑んだ
瞬間に、私は危機を察知した


「みんな下がって!!!!!」


大声でそう呼びかけると
白ひげ海賊団は下がってくれたが
麦わらの一味の強者たちは
下がらなかった


「ルフィ!!下がれ!!」


激しく混乱する戦闘の場では
もはやエースさんの声は届いてない

ゾロの剣先が彼に届く瞬間に
揺れていた黒い影が、それを受け止める


「・・・っくそォォォォ!!!」


多数ある中の黒い影が
攻撃してくる麦わらの一味を
一斉に跳ね返した


「きゃぁ!!!」


「いでー!!」


「くそ!なんだあいつは!!
死んだんじゃねぇかよ!!」


黒い影は徐々に塊を造って
やがてそれは、女性の姿になった
そして女性は彼の後ろに
彼を守るように居座った


『・・・消してあげる・・

あの、眩しい空も
爽やかに流れる雲も

・・・私たち親子を
引き裂こうとする人間も』


黒い影の女性はそう言って
空を闇で埋めた

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設定タグ:海軍 , マルコ , 白ひげ海賊団   
作品ジャンル:アニメ
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - 大団円のラストに感動しました!最高の作品を生み出して下さりありがとうございます!! (2021年3月21日 5時) (レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごく面白いです!続きが凄く気になります。続きを楽しみにしています((o(´▽`)o))ワクワク (2020年4月3日 16時) (レス) id: 4b272e00cb (このIDを非表示/違反報告)
不死鳥好き - お話面白いかったです!続き待ってます!(*´∀`) (2020年2月9日 7時) (レス) id: c77edd7d0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2019年12月11日 22時

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