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死に淵で ページ3

黒い影と話をしながら
進んでいくと、だんだんと
私の歩みを妨害するものが増えてきた
火の海が消えたと思ったら
今度は棘のある蔓が私の体に巻き付く


「っもう、いったいなぁ・・・!」


どうしてこんなに妨害するの、と
忌々しく言葉を零すと
黒い影が悲しそうに教えてくれた


「・・・・今、お前の体は
もう、生きる力が残ってない
瀕死状態なんだよ

そんな状態から、回復するっていうのは

・・・とても、とても苦しいことなんだ」


「・・・・っそう、だよね・・
教えてくれて、ありがとう」


彼は、私の体のことを思って
さっきは楽にさせようとしたんだ
そしてまた彼は、私に問いかける


「・・・戻れば楽だ
引き返すか?」


私は、その問いに笑って返した


「絶対に、戻らない

戻れば、この苦しみは終わるけど

・・・後で絶対に後悔する!」


マルコさんに
会いたかったって後悔する
私は、巻き付いてきた蔓をとりながら
歩みを止めなかった



時間は、どれぐらい経っただろう
歩みは、どれほど進んだろうか
もう手も足も血だらけで
痛みを通り越して、何も感じなくなった
立っているだけが、精一杯になる


「ほら、苦しむって言っただろう

これから先に進んでも
何も変わらない

さぁ、戻ろうA」


だから、さっきから
何度も言ってるでしょ


「絶対に、いやだ・・・!」


歯を食いしばって進もうとしたら
とうとう、ボロボロの足が倒れた
うっと、唸りながら
這いつくばって進もうとする私に
彼は大きな声で言う


「・・・っいい加減にしろよ!!
もう強がるんじゃねぇよ!!

諦めろ!!A!!」


「いや!!」


息を切らして、私は前に手を伸ばす
諦めるなんて、できない
あの声は私を呼んでくれた
死にそうな私の名前を呼んでくれた

諦めていない彼を
どうして私が諦められようか


「・・・マルコさん・・!!」


貴方に、会いたい

そう強く願った
もう一度進もうと
顔を上げて、ぐっと手を伸ばすと

小さな光が先のほうに見えた


「・・・・?」


その光はどんどん近づいてきて
あっという間に、私の目の前に来た
その光の正体は
青く光る、不死鳥の姿だった


「マルコ、さん・・・?」


不死鳥は私の問いに首を振る
そして私に巻き付いていた棘の蔓を
フゥ、と
息を吹きかけるだけで消してくれた


「・・・ありがとう」


立ち上がるときも、その不死鳥は
私に力を貸してくれた

帰るべき場所へ→←会いたい



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設定タグ:海軍 , マルコ , 白ひげ海賊団   
作品ジャンル:アニメ
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弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - 大団円のラストに感動しました!最高の作品を生み出して下さりありがとうございます!! (2021年3月21日 5時) (レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごく面白いです!続きが凄く気になります。続きを楽しみにしています((o(´▽`)o))ワクワク (2020年4月3日 16時) (レス) id: 4b272e00cb (このIDを非表示/違反報告)
不死鳥好き - お話面白いかったです!続き待ってます!(*´∀`) (2020年2月9日 7時) (レス) id: c77edd7d0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロモォコ | 作成日時:2019年12月11日 22時

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