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一瞬、何が起きたのか処理するまで
時間がかかった
男のAの肩を貫いている棘が
・・・彼女の、心臓に、突き刺さっていた
息が、できない、苦しい
血の気が一気に、なくなっていく
周りの、仲間の声が、聞こえない
嘘だ、いやだ信じたくない、いやだ
彼女の、頬に、震える手を当てた
「あ〜間に合ってよかった・・・
持っといてよかったな、トゲトゲの実」
異世界人の男が、地面に手を当てて言った
地面を介して、棘を・・届かせたのか・・
彼らを貫いている棘を武装色で破壊した
ただ、今は怒りだけが脳内を巡っていた
よくも、よくも、よくも!!!!!!!
理性を失い、
怒りに身を任せようとした俺に
彼は、そっと俺の肩に手を置く
「・・・まだ、彼女は、いるよ」
彼は、貫かれた方を抑えながら
俺の前に出ていき
ヤミヤミの実を発動した
「・・・あんなに待っていたんだ
頼む、最後まであきらめないでくれ」
彼はそれだけ言い残すと
手負いの獣がごとく、戦場に身を投げた
そうだ、彼女は信じてる、と言った
俺に、言ってくれたんだ
「・・っ誰か、医療器具を!!」
「マルコ、隊長・・・!
もうAは・・・」
「まだ、脈がある!!
助けるって約束しただろう!」
「・・・・!!
船医!!医療器具を!!」
Aがまだ生きているという
希望を持って、周りに呼びかけた
幸い、すぐに船医は来た
同時に外科医でもある
トラファルガーローがこちらに来た
「俺も医者だ。協力してやる」
「・・・助かる」
俺と、外科医で治療に当たり
ジョズ率いる奇数部隊は
俺たちの周りを囲み、防御に徹した
「妹はまだ助かる!!
諦めるな!!守り続けろ!!」
「「おおおおおお!!!」」
ジョズの掛け声で
仲間たちの士気は一気に上がった
外科医とともに、彼女の傷を見る
綺麗な布で止血をしながら
傷の具合を見た
「心臓をかすめているぞ
心臓の壁が、弱くなってる
こりゃ、長く持たねぇ・・・
俺の能力なら、心臓を取り出して
直接治療することができるが・・」
「それは駄目だ。脈が弱すぎる
治療している間に、心筋が動かなくなる
そしたら電気ショックを与えれば
済むかもしれないが
そうなると
塞いだ心臓の壁が耐えられるか不安だ
このまま塞ぐしかねぇ・・!
お前は、止血を頼む」
「・・・・そうだな、異論はねぇ
だが、どうやって塞ぐんだ?」
俺は自分の掌から青い炎を出して
彼女の、胸の傷から、心臓の傷に
青い炎を流すように手を当てた
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2019年8月15日 10時
