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歪んだ視界の中、そのうちはっきりと
視界が開けてきた
目の前には大量に転がる死体の山
自分の手には、血がべっとりついた剣が
周りには炎上が広がっていた
なぜか、そんな酷い光景を見ても
自分の心は落ち着いていた
炎の向こう側から誰かが来て
俺はそれを見て
女性のような悲鳴を上げた
「あぁ、そんな・・・っ
いや、いや・・・!」
カラン、と手に持っていた剣を落とす
その瞬間、どこからか人が飛び乗ってきて
俺の体を封じ込んだ
そして、一人の男が俺の前髪を掴み上げて
強い口調で言ってきた
「お前が大人しく、捕まれば
こいつは逃がしてやろう」
「・・・・」
俺は当たり前のように
全身の力を抜いて、その男の言うことを
素直に聞いた
瞬時に、周りの奴らに両脇を抑えられたまま
どこかへ連行される前に、
俺は泣きながら言った
「私、信じてます
貴方が、私を見つけてくれることを・・!」
「早くこの女を連れていけ
そしたらすぐに薬を打て、動けないように」
俺はすぐに、どこかへ連れていかれて
実験台のベッドに縛られて
腕に何やら怪しげな注射を打たれた
「うっ」
身体が金縛りにあったように
動けないようになった
しかし目だけは動いたので
かろうじて次に打たれる薬が見えた
それは、どす黒く、
まるで闇のような色をしていた
打たれた瞬間、そこから激痛が走る
あまりの痛さに歯を食いしばって叫んだ
涙も出てきて、汗もだらだらと出てくる
やめて、痛い、痛い
助けて、助けて!!!!
「おい!!!」
「・・・・・っは、ぁ」
不死鳥が俺を起こしてくれたようだった
気が付くと、自分の息遣いは荒く
汗をびっしょりとかいていた
そして、涙も少しだけ出ていた
「おい、大丈夫かよぃ
魘されていたぞ」
「だ、だいじょうぶ、平気」
あぁ、すごく、嫌な夢を見た
はっとして自分の腕を見るが
そこには注射の跡はなく、ほっとした
「ほら、水だ」
「あ、ありがとう」
氷で冷えていた水は
心地よく、自分の喉を潤す
全てを飲み干すと、ふぅと息をついた
空になったコップは不死鳥に取られ
代わりに体調を診てもらった
「・・・よし、落ち着いてるな」
「うん、もう大丈夫です
嫌な夢を見ただけ」
はっとして気が付いた
そういえば、シャルリア様は!!?
不死鳥の襟を掴んで聞いた
「シャルリア様は!!?」
「あぁ、元気でやってるよぃ
この船で雑用として働いてる」
ホワッツ!!!!???
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作者名：ロモォコ | 作成日時：2019年8月15日 10時
