天竜人の仰せのままに(男主)2 (ページ12)

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「きゃああああ!!
は、離しなさい海賊!!」

「大丈夫だって!
ちょっと気持ち悪くなる程度だって」

「いやああああああ!!」

あぁ、エースの奴
またやらかしてやがる・・・
笑いながら、Aを担いで
モビーへ戻っていった

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

モビーに着くと
親父が甲板に立っていて
厳格な面持ちで待っていた

「マルコ
無事だったか」

「あぁ、親父・・・
心配かけてすまねぇよぃ」

天竜人は・・・と・・
うん、大人しくしてるな
大きく動揺はしてるが

それよりも家族たちが
天竜人の存在に、反応を示してる
・・・やはり、まずかっただろうか

「勝手な判断をして・・」

「馬鹿野郎」

親父が俺の言葉を遮って
手を伸ばして
俺に頭を撫でながら言う

「放っておけなかったんだろ
そんなもん、全員わかってる」

嬉しかったのと同時に
やめてくれ、全員の目の前でという
羞恥心の葛藤にさらされていた

「それで、お前さんはどうしたい?」

「え、なっ、わ、私?」

「あぁ、そうだ
この船に乗るか
それとも半壊した自分の船に戻るか?」

天竜人の女は少し考えてから
震える声で、結論を言った

「・・・お、お願い・・
Aを、助けて・・・
この船に、乗せて」

親父は天竜人をじぃっと見つめた後
横にいたナース長に声をかけた

「・・・ナース長」

「・・・なんでしょうか船長」

「世話をしてくれるか」

ナース長は顔を伏せて
落ち着いた声で答えた

「船長のご命令なら
喜んでお受けします」

すまない、と親父は小声で
ナース長に言った
聞こえたのは隊長格ぐらいだろう
ナース長は最後まで表情を崩さなかった

「じゃあ部屋に案内するわね
ついてらっしゃい」

「ま、待って!
Aはどうするの?」

「こいつは俺が治療しとくよぃ」

「あら、よく見たら貴方も怪我してるわね
治療してあげるから、こちらへおいで
大丈夫、みんないい子たちよ
いじめたりなんかしないわ」

ニッコリ、と彼女は笑って言ったが
逆にそのことが恐ろしい
天竜人も何か邪悪なものを感じたのか
大人しく彼女に従った

「俺は医務室に行ってくる
用事がある奴は俺の部屋の机に
メモを残しておいてくれよぃ」

家族たちにそう言って
その場から去っていった

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一通り、検査をしたが
Aの命に別状はなかった
ただ今は深い睡眠状態にある

彼を抱き上げて、自分の部屋に連れて
そのままベッドに寝かせておいた