天竜人の仰せのままに(男主)2 (ページ2)

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彼女の言葉に
少々思い当たる節があった

「今、海軍で特設された
悪魔の実の能力者狩りの奴らのことか」

「はい・・・・
その人たちは」

言う寸前で、彼女が苦しそうに
胸を抑えた

「A!!」

「・・・っだ、大丈夫です
時間が、ありません・・・」

彼女は苦しそうに息を切らして
俺の瞳をまっすぐと見て言った

「私の体は
おそらく海軍本部のどこか、です
今は、この子に、体を借りてるだけ・・」

その言葉の意味に察して
俺はAを強く抱きしめた

「A、やめろ」

「マルコ、さん・・・
信じて、ます、貴方が、みんなが・・」

「行くな!!」

私を、連れ戻してくれるって

瞬間に、Aは俺の方に
力なく寄りかかった

クソ、海軍の奴ら・・・!!
いったいAに何をした!!
腹わたが煮えくり返って
ぐっと彼女を抱きとめる手の力を強めた
すると、痛そうに彼女は目を覚ます

「い、たい・・・
なんだよ・・・!!」

忌々しそうに、彼女は俺を睨む
一度、ふぅと落ち着いてから
彼女、いや彼に謝った

「すまねぇ」

「あ、うん、いいですけど・・・」

彼は言いにくそうに口をもごもごと
動かして、目を逸らして言い出した

「あの、さ」

「ん?」

「・・・俺じゃないほうのAさんに
会えたり、した・・・?」

驚いた、コイツに自覚があったのか
瞬時に、奇妙な点に気が付く
Aは体は別にあるって言ったな・・・
意識は、コイツの中にいるのか?

「・・・・あの」

「あ、あぁ、会えたよぃ
お前が身体を貸してくれた、と聞いた」

「あー夢じゃなかったかー・・・
というか・・・
Aさんって何者ですか?!」

彼は、はっと驚いて俺に聞いた
何者、と言われて思い浮かぶのは
異世界人であるということ
後は、以前に真が言っていた・・・
Aは純日本人であること

心、もしくは意識の中に
数百年前に存在し、
恐らく天竜人たちに追放された
最凶の男がいるということ

「他人の意識を乗っ取れる能力って・・
うーん・・・悪魔の実・・?」

「いいや、恐らく異世界人の能力だよぃ」

「異世界人・・・・
いや、でも、俺はこんな能力知りません」

Aは、しまったという表情をしたが
俺が勘づいたことに気が付いて
仕方がない、と諦めて話す

「悪魔の実の能力者狩りは
知ってますよね?」

「お前らの仕業だろぃ
昨日もその任務だったろ?」

「・・・やっぱ知られてますよね」

困ったような笑顔が
少しだけAに似ていた