four seasons.

ネクタイ2。 ページ41

そう言って、シュンとするA。
可愛すぎる！！

我慢出来ず、チュッと軽いキスを送ると顔が真っ赤になって驚くA。

『////隼、バカッ！！』

「可愛すぎるAが悪い！」


『可愛くないよ！隼の方がかわい……

「ストッープ！これ以上言うともっと深いキスするぞ？

じゃ、リベンジしてよ？今度こそ正面からさ。」


そう言って、俺は高校の時に使ってたネクタイを取り出してAに渡した。
捨てずに持ってて良かった！


『分かった。まだ、慣れないから時間かかるよ？』

「ゆっくりでいいから結んで？
そーだ！俺、ワイシャツ着てくるわ！
ちょっと待ってて。」


何事もリアリティーある方が良いじゃん？
ちょっとサラリーマンぽくさ。


前にテレビ出演で着た衣装買っておいて良かった。高校のワイシャツだとやっぱ制服って感じだけどこっちだとスーツで大人な感じ。


「お待たせ！はいっ、じゃ、よろしく！」

『////隼、なんかかっこいい』

「まじ！ありがと。ほら、奥さん早くネクタイ結んで会社遅刻しちゃう！」

サラリーマンぽくね。
冗談交じりで、そんなこと言ってみたらAも乗り気で。

『もー！あなたったら、襟あげて…えっと、こーして、こーやって、こう！』

俺にネクタイを結ぶ姿が可愛くて口に出てるし。あー抱きしめたい。もしも、俺がサラリーマンだったらこうやって毎日Aにネクタイ結んで貰って会社とか行くんだろうななんて想像してみるとそんな生活も幸せだったり。


『出来たよ！隼！いってらっしゃい。あ．な.た。』

「Aー！愛してる！」


『我ながら上手く出来た！ありがとね！隼。ネクタイ結ばせてくれて。』

「ううん。ごめんな。俺、ネクタイ結んで貰う職じゃなくて。」

『えっ！なんで？確かに、隼がサラリーマンだったら毎日ネクタイ結んであげられるけど私は、隼が毎日楽しくお仕事してれば幸せだよ？

それに隼がサラリーマンって！笑

隼は、ダンスしてるのが転職じゃんよ！』


そう言って俺より小さい背を一生懸命伸ばして頭を撫でてくれる。


やっぱ、彼女の笑ってる姿が一番の幸せで、俺がパフォーマーとして、頑張れるのは紛れもなくAのおかげなんだって思った。

なんか、どうして良いか分からない感情で俺はまたAを抱きしめてた。


「A…また、ネクタイ結んでくれる？」

『んっ？良いよ！いつでも結んであげるよ。』


たまには、ネクタイするのも悪くないなあって思ったり思わなかったり。

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