【オリジナル】十二天物語 (ページ17)

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十六頁目ページ17

そこまでいわれた時ようやく頭が動き始める。

真(あー、びっくりした。人間って本当に頭が真っ白になるもんなんだなー)

ってそーじゃなくて！

真「ちょっと待ってってば！何で私まで！？そりゃ、出雲君の前世が神様だって言うなら別にそれでも構わないけど、何で私まで！」
出雲「それは僕の前世が杉川さんの前世と深く関わっているからだ」

自信ありげに言われるが、ますます訳がわからない。
その思いが顔に出たのだろう、出雲は淡々と説明し始めた。

出雲「杉川さん、十二天って知ってる？」

話が見えなかったが知ってはいたので答える。

真「知ってる。確か、帝釈天、羅刹天、毘沙門天、地天、日天、伊舎那天、水天、火天、風天、梵天、月天、焔魔天でしょ。でもそれが何だっていうの？」
出雲「へぇ、杉川さん凄いね。十二天を覚えてる女子高生なんて滅多にいないよ。歴史書通りだ」

すらすらと答えた真に、少し皮肉そうに出雲は言った。

出雲「まぁ、その十二天は本来少しばかり違うけどそこはおいとこう。で、その十二天の神様の内の一人――梵天。それが杉川さんの前世だ。」

ハッキリと言われたが、やはり真は信じられなかった

自分の前世が梵天？そんな馬鹿な。
当惑している様子の真には構わず、出雲は更に続ける。

出雲「そして僕の前世は同じ十二天の内の一人――焔魔天だ。ただ、僕は杉川さんと違って前世の記憶をそのままそっくり持ってるけどね。あと、どうして杉川さんが同じ十二天だか分かったのは名前だよ」
真「・・・名前？」
出雲「そう。僕の名前は出雲夜魔で焔魔天のヒンドゥー教の名前も同じ読みのヤマだ。偶然にしては出来すぎだと思わない？」

言われてみればそんな気もするが…イヤイヤだからといって