【オリジナル】十二天物語 (ページ16)

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十五頁目ページ16

そして出雲は全く思いがけないことを言った。

出雲「僕も、僕じゃない人だけれど僕だって解ってしまう夢を見るんだ」

唖然としている真に出雲が重ねて言う。

出雲「正しくは夢というより、記憶だね。」
真「記憶・・・？」
出雲「そう。僕には前世の記憶がある。だから、夢を見る。そして同じく夢を見ている杉川さんにもかすかながら記憶が残っている。だから、僕と杉川さんは同じなんだ」

淡々とした口調で淀みなく話されても、真には出雲が頭のおかしい人にしか思えない。
いきなり前世の話をされても、悪い冗談だとふつうは思うだろう。

実際、真もそう思った。

真「え、と・・・」

未だに出雲を怖いと思う感情は消え去っていなかったが、なんとか真は言葉をつなげようとした
が
先に出雲に言われてしまった。

出雲「まぁ、急にこんなこと言われても信じるのは無理だろうけど。」
真「ま、まぁね・・・。」

二の句がつけない真にやはり淡々とした調子で出雲は続ける。

出雲「でも、これが真実だ。」

キッパリと断言されても信じられないものは信じられないのである。

真「で、でも同じような夢を見ているからといって、それが前世の夢だとは限らないわ！それにどうして私がその夢を見ているって分かるの？大体、夢が本当に前世の記憶だったとして、前世はなんなのよ？」

一息にそこまで言い切ると、出雲は少し驚いたような顔をした
その後、また同じ調子で話し始めた。

出雲「確かに、同じような夢を見ているからってそれが前世の夢とは限らない。けど、結論から言えば僕の前世は神様だよ」

一瞬、頭が真っ白になって、真は何も考えられなくなった。
追い打ちをかけるように出雲がさらに補足する。

出雲「そして杉川さんもね」