プロローグ ページ1
ああ、またあの夢だ・・・。 ぼんやりとした意識の中で真はそう思った
いつもと何ら変わらない夢・・・・・数週間前から毎夜、真はこの同じ夢をずっとみている
背中まで伸びた茶色い髪を無造作に一つにくくって、なにやらとてつもなく裾の長い中国系の見知らぬ服を着ている自分
夢の中の自分は現実の自分とあまり顔の造作は似ていない
けれど、紛れもない自分自身だと分かってしまうその不思議さ
しかし、そんな現実の自分の気持ちなんかには構わずに、夢の中の自分はただひたすらに謝っている。
「ごめんなさい……ごめんなさいっっ!!でも…でも…こうするしか…!こうするしか私にはなかったのっっ……!!!」
夢の中の自分は血のように赤い満月を見て、いつもいつも泣いている。
”ごめんなさい”と…
一体誰に向かっていっているのか?
……それはいつも感じ、思っている問い
そして今日もまた、その答えはわからない
真(そんなに謝るのなら、いっそそんなことしなければ良かったのに・・・)
夢の中の自分に苛立ちを覚えながら、ふと、意識が上へと向かう。
真(待ってよ・・・もう少し、もう少しだけでいいから・・・)
それでも意識は容赦なく、緩やかに覚醒し始める
そうして今日も何も分からないまま、一日が始まる
通常のいつもと何ら変わらない一日。
けれどそれが、真にとっての大きな一歩を踏み出す一日になろうとは、真自身、未だ、知る由もなかった・・・・・・。
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おかちゃん - 続きめっちゃ気になる…!作ってくださいm(__)m (2019年5月11日 5時) (レス) id: 7bd937423b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオイ | 作成日時:2013年5月15日 8時