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「もう、全部消すから、」
「ん、」
「かずも全部消して？」
全部消して、と言う彼女
別に寂しい訳じゃないけど、
今更、心配してるなんて事もないけど
なんとなく、今までの時間が全部帳消しになってしまう様な気がして、曖昧に返事をした
「ん、」
「だから、さ？
そういうとこが かずの悪いところでしょ？
かずが思ってる程、皆んな、そんなに柔じゃないよ？
(笑)やっぱり心配だなぁ・・・
悪いオンナに引っかからないでね？」
そう言うと、明るくバイバイってホテルを後にした
あの頃・・・
まだオレが、
世の中の、
ゲーノーカイの、
仕組みを知る前の
幼かった頃の時間を共有した
お互いの存在を確かめ合う事で
毎日、生きてるんだと実感していた
ままならない感情をお互いに慰め合ってた
お互い違う道を歩き始めてからも
恋人よりも
もっと近くに感じた存在だった
大人になった今も
その頃の想いが残ってて
もう、そんなんじゃないってお互い分かってるのに
若かった頃の惰性を引きずってた
それは、
彼女に恋人が出来ても変わらなかった
オレは・・・と、言うと
幼かった頃の自分の想いを
どんな子と付き合おうと
彼女との関係性は変わらなかった
だけど、
もう、それもお終い
オレには彼女以上の存在が出来たんだ
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作者名：617 | 作成日時：2016年5月23日 21時
