158 予想外 ページ10
うそ？！
かず、って
そんな事言う人だったの？
そんな事
望んでる人だったの？
思考がストップする
「ワタシね？
あんまり体力には自信ないから、ね？」
「うん、」
「そうなっちゃうと
もう、今年いっぱい、会いに来るのは無理かもしんないと思ってね？」
「ですよね・・・」
「だから、おいで？」
おいで？
「何処に？」
「ん？ワタシんち。」
「えっ？今から？」
「そっ。」
「でも、明日も仕事・・・
言いかけた私に
「うん、だから・・・
オレがまた出張行くまでは、うちにいて？
仕事もうちから通えばいいでしょ？」
は、い？
言ってる意味がイマイチ理解できなくって
ぽかん、としてたら
「おーい？きいてる？」
「聞いてるけど・・・」
「ん、じゃ用意しておいで？」
「なんの？」
えー？！
聞いてたんでしょ？(笑)
って面白そうに笑いながら
指を折って数を数えながら
4日？、5日？
まぁ、何日でもいいや
お泊りセット作っておいで？
そう言うと
はいはい、行った行った
クルッと回転させられて部屋の中へと
背中を押されて行く
なんだか
よく頭が回らないままに
スーツケースに荷物を詰め込んだ
ソファーにすわって
鼻歌まじりにスマホを弄ってたかずが
寝室から出できた私を振り返る
「出来た？」
「うん、」
「じゃ、行きますか？」
「どこに？」
「えーーー？
ホントに、ワタシの話聞いてます？」
って
くくく、って笑ってる
玄関を出るとき
「あ、エビフライ、ちゃんと持った？」
そう言われて
貰ったキーホルダーを取りにリビングに戻って
自分の目を疑った
もう既に
そこには鍵がくっついてて
「えっ？かず？これ・・・」
「鍵、無いとおうち入れないでしょ？」
そんな事より
夜も遅いんだから、
早く早く、と急かされて下におりると
マンションの前に横付けされたかずの車
私の荷物を後部座席に積み込むと
助手席のドアを開けてくれて
どうぞ？
って口角を上げる
いつも
会う時は私の部屋が多くて
かずの部屋には数える程しか行った事がなくって
いろんな事が頭ん中をぐるぐる回ってる
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作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
