The missing piece Ⅳ (ページ6)

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154 年下のオトコページ6

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おれに手を振りながら
ばいばい、って言い終わるか終わらないかで

ぱぁ、っと
満面の笑みになったのが見えた

駆け寄って行った、その先にいる
あのオトコは誰？

彼氏？

嘘でしょ？

遠目だったからイマイチ分からなかったけど

なんか猫背で垢抜けない感じで

背だって絶対おれの方が高いように見える

前の彼氏って人は

背も高くて、
スーツなんかも、おれにだって分かるようなブランドもんみたいの着てて

いかにも仕事が出来そうな

大人の男って感じだった

その彼氏と一緒にいる彼女を見たときには

あぁ、コドモのにおれには
やっぱり届かない恋なのかな？なんて
落ち込んじゃったりなんかしたけどさ

ある日、山田が
「Aさん、彼氏と別れたらしいよ？」

って言ってきたんだ

彼女の悲しむ顔は見たくはないけど

でも

もう、もう、もう
そんときは、神様ありがとー！！って

普段なら、お腹痛くなった時くらいしか
神頼みなんてしないけど
毎日、神様にお願いしてて良かったよ(笑)

この時ばかりは、
おれにもチャンスが巡ってきたよ、なんて
浮かれてた

なのに、さ

おれん中のショックたるや

もう、なんでそんなにモテんの？

そりゃ、ね、

おれがどんなに背伸びをしたって

” 年下の高校生 ” くらいにしか思われてない事は
わかってる・・・

だから、さ

あと少し

もう少しして、

高校生を卒業したら

いや、そしたら大学生で
学生に変わりはないんだけど

でも大学生って
ちょっとは大人の仲間入りでしょ？

え？違うの？

まぁ、どっちだっていいよ

高校生を卒業したら
彼女におれの想いを伝えよっかなぁ？

なんて・・・

だめか・・・

だけど、おれがオトナになるまで待ってて
なんて、無理でしょ？

だから

年下の、

コドモの特権を生かして

精一杯アピールするつもり

だけど
当たって砕けろ！
なんてサラサラ思ってないからね

勝ちに行くからね！おれ。