The missing piece Ⅳ (ページ5)

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153 年上のヒトページ5

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Aは憧れの女(ヒト)

いや、違うか。好きなオンナだ。

おれは年下だっていうことをいい事に
若さ故の傍若無人さ、っていうの？

無邪気に呼び捨てする事にまんまと成功した

だから
2人の距離を、グッと近づける事にも成功したと思ってたんだ・・・コドモのおれは、

彼女は

時々
おれのバイトしてるケーキ屋に寄って
ケーキを買ってってくれる、お客さんだった

年下のおれから見たって
そんなに美人なわけじゃないし

とりたててお色気むんむんな感じでもなかったから

最初は
ただのお客さん、て感じだったんだけど

何度か接客してるうちに

あ、可愛く笑った

とか

あれ？なんか拗ねちゃった？

とか

年上のお姉さんなのに
何だか可愛くって

いつしか
Aの帰宅する時間を狙って

店の前の掃除をしたり、ガラスを拭いたりして

なんとか、お喋り出来ないかな？

なんて、チャンスを狙ってたんだよね

だけど、さ
道を歩いてる人に声を掛けるなんて
ナンパ以外のなにもんでもないでしょ？

結局、高校生のシャイなおれには(笑)
声なんて掛けられるわけなんかなくって

前の道を通り過ぎる彼女に会釈をするだけで
精一杯だったんだ

だけど
おれが彼女の帰りを狙って
いつもの様に入り口のガラスを拭いてたら

彼女の方から声を掛けてくれたんだ・・・

「あの・・・」

「は、はい。」

「入ってもいいですか？」

「あ、すみません。
どうぞ、いらっしゃいませ。」///

なんて、
おれが店に入る邪魔になってただけなんだけど、ね(笑)

だけど、さ
おれの横を通り過ぎる彼女からは

甘くていい匂いがして

柔らかそうな髪の毛がふわっ、と揺れて

ますます
Aに夢中になってったんだ

それからは、
あの手この手で彼女との接点を作って

もちろん山田も使った・・・ごめん、

だけど
今ではオレより仲良しになっちゃってて、さ

お前よりおれのが仲良くなりたいっつーの

まぁ、今では一緒に帰ったりなんかしちゃえるくらいの距離感にまで近づけたからいいんだけどね

・・・なのに、

誰？