187 思いがけず ページ39
「あ、」
思わず苦笑いする私に
相手がかずだと知ってか知らずか
「ん？電話？どうぞ。」
そう言って
コンビーフを摘みながら
ハイボールを飲んでる永田さん
「もしもし、」
「ん？珍しいね、外？」
「はい、」
「あれ？もしかして、おっさんとこ？」
なんて
やっぱり勘がいい、と言うか
いつもと違う状況をすぐに察する辺り
すごいな、って思う
「はい。」
んふ
「で？なんで、そんなに他人行儀なの？」
「え、えーっ、と」
永田さんをチラリと見て、言い淀んでると
ん？
って片方の眉を上げた永田さんが
貸して？
って口パクで言って
私の手から、するっと携帯を抜き取った
・
「お疲れさん。」
突然の男の声
はっ？
誰？
「あれ？僕の声も忘れちゃった？」
この話し方、声、
はぁ、永田さん、か・・・
「忘れる訳ないでしょーよ。」
「ですよね？」(笑)
「で？何で？」
「偶然だよ。偶然。」
「いや、そんな事、聞いてんじゃないでしょ。」
「いやいや、あなたこそ
まだ明日もあるんだから、夜更かししてないで
明日に備えなさいよ。」
なんて笑うから
「明日の為の糧でしょ。」
って言うと
ふふ
「らしい、わ。」
笑いながらAに代わった
「もし、もし、」
「楽しそうですね？」
「あ、うん。」
「なんか、妬けちゃう、な。」
なんて、かずらしくない発言
「遅くなんないうちに帰んなさいよ？」
「うん、」
ふふふ
「じゃ、明日うちでね？おやすみ。」
「おやすみなさい。」
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作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
