181 届けたい ページ33
・
「明日も仕事でしょ？」
聞くと、黙って頷くから
立ち上がって
彼女の手を取り寝室へと向かう
ベッドに潜り込んだ彼女と一緒に
オレも布団に入ると
背中から彼女を腕の中に閉じ込める
「すっかり冷たくなってる。」
「も、寝る、の？」
なんて小さく聞くから
「んーん、まだ寝ない。」
そう言うと
「・・・そっ、か、」
って声のトーンが下がる
そんな、背中を向けてる彼女の肩を引いて
仰向けにして、そのまま覆い被さると
驚いて何かを言おうと開いた唇に
啄む様にキスをした
何度も、何度も
オレの想い届け！
って、そればっかりを思って
夢中で彼女を求めてたら
「、ん・・・か、ず、？」
オレの胸を少し押して伺い見てくるから
「ね？寝らんないでしょ？」
って笑ったら
「ごめんね？」
って言って
オレの頭を引き寄せて唇を重ねてきた
・
掠れた声で甘く囁いて
薄く笑って口角を上げる かずに
一瞬にして全部もってかれる
「・・・か、ず？」
「ん？」
かずの薄い唇が首筋を這いながら返事をするから
擽ったくて首を竦める
私がその先を何も言わないから
身体を起こすと
右肘を私の顔の横について
左手で私の髪を梳きながら見下ろした彼が
困った様に琥珀を細めて呟いた
「・・・ちゃんと、届けたいんだよ、ね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
