174 待ち惚け ページ26
遅くない？
接待って、
こんなに遅い時間まですんの？
いや、まぁ
時間区切っておもてなしなんてしないんだろうけど
こんなにも気になっちゃうんだから
笑えてくる
オレは保護者かっ(笑)
ゲームをしてても
録り溜めたテレビを見てても
さっぱり頭に入らない
やっぱり、あまりにも遅い帰りに
少し心配になってくるから
もし、
いや、もしもだよ？
迎えに行ったりなんかしたら
やっぱり迷惑か、な？
もう、ビール飲んじゃったから
車には乗れないけれど
タクシーでなら迎えに行けるし、
なんて考えてたら
Aからメッセージが届いた
もう、帰ってくんのかな？
なんてワクワクしながらメッセージを開くと
” ごめんなさい。
間違って自分ちに帰ってきちゃいました。”
は？
で？
もう、オレんちには帰って来ない、って事？
間違える？
そんだけ酔っ払ってる、て事？
あぁ、そっか・・・
やっぱり、1人になりたかったのか・・・
勝手に自分の中で折り合いを付けると
メッセージを送った
” おやすみ ”
・
強引に森くんに一緒にタクシーに乗せられた
まさか
かずんちに行く事も出来ずに
自分ちの住所を、告げる
「珍しく、酔っ払ってません？」
「ん？そうかな？
お酒とお料理が美味しかったせいかな？
ホントにご馳走様です。」
そう言った私に
ニコ、っと微笑んで窓の外に目をやる森くん
私も反対側の窓に目をやる
！？
森くんが私の指先を、ぎゅっと握った
窓にやってた視線を森くんに向けて
慌てて手を引くけれど
「酔っぱらってるから、・・・今だけ、
今だけ、お酒のせいにさせて下さい。」
そう言った彼に
ぎゅっと握られる手を振り解けなかった
うちの前に着いて
一旦、2人でタクシーをおりると
「あの・・・」
言いかけたまま
何かを考えてる様子の森くんに胸が
だけど
きゅっ、と唇を結び直すと
「今日は遅くまでありがとうございました。
おやすみなさい。」
そう言って深々と頭を下げると
タクシーに乗り込んで帰って行った
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作者名：617 | 作成日時：2015年10月31日 21時
